新紋章 S支援 | ナノ


▼ カイン



カイン
クリス。

クリス
カイン殿、もしかして今から訓練ですか?

カイン
いや…
クリス、お前と話がしたくてここへ来たのだ。

クリス
訓練ではなく、私と話を?

カイン
そうだ。
近頃、おれもお前も
訓練に明け暮れていたからな、
落ち着いて話す時間が
あまりなかっただろう。

クリス
それもそうですね。
私も今一度、カイン殿とお話したいです。
…しかし、カイン殿が
そんなことをおっしゃるなんて
正直なところ驚きました。

カイン
そんなにおれの発言が珍しいか?

クリス
はい。
カイン殿は、時間が少しでもあれば
訓練をなされているので…
ご指導ではなく、
私と話すために時間を割いてくださったのが
なんだか不思議で。

カイン
…それもそうだな。
以前のおれならば己を、
そしてお前を鍛え上げることだけに
時間を費やしていただろう。

クリス
以前のカイン殿…?
では今のカイン殿は、
以前とは違うということですか?

カイン
お前に訓練の指導を頼まれた日から、
おれはずっとお前の頑張る姿を見てきた。
マルス様のために強くなろうとするお前を。
初めはクリスが強くなるならばと、
指導をしていた。

だが、いつの日にか…
自分にそれ以外の思いが
あることに気が付いたのだ。

クリス
それ以外の…思いですか?

カイン
訓練といえど、
共に時間を過ごしていることに
変わりはないだろう。
おれは、気が付けば
こう思うようになっていた。
長い時間クリスと訓練を共にしたい、と。

クリス
…えっと、
訓練を増やしていただくのは
特に問題はないですが。

カイン
そうではない。
おれ自身、こういう感情には
詳しくないんだがな…
そうか、この感情が…アベルの言っていた…

クリス
カイン殿?
もしかして、その感情というのは…

カイン
クリス、
これからもお前には
厳しい訓練を課していくことになる。
だが、少しでも時間があれば、
またこうしておれと話をしてくれ。
おれはお前と共にいたい。

クリス
は、はい。カイン殿。



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