新紋章 S支援 | ナノ


▼ ジョルジュ



ジョルジュ
クリス。

クリス
!…ジョルジュ殿。

ジョルジュ
どうした、戸惑った顔をして。

クリス
い、いえ特に理由は…。
く、訓練に行ってきます。

ジョルジュ
待て、話の途中だ。

クリス
っ…。腕を離してください。

ジョルジュ
断る。
…近頃はオレが話しかけようと
する度に逃げ腰だな。

クリス
別にそのようなことは…。

ジョルジュ
否定できんだろう。こうして話していても、
隙あらば遠ざかろうとしている。
目すら合わせない。

腕を掴んでいなければ、お前は今頃、
間違いなくオレの前から姿を消していた。
訓練を理由としてな。

クリス
……。

ジョルジュ
無言か。クリス、そんなにオレが嫌か?

クリス
…っそんな!そんなことは決してありません!

ジョルジュ
なら、なぜ近頃オレを避ける。

クリス
それは…。ジョルジュ殿が傍にいると、
その…落ち着かないというか…。

ジョルジュ
落ち着かない、か。
それだけの理由でオレが
納得するとでも思ったのか。

クリス
いいえ…。しかし、これ以上は…。

ジョルジュ
…そんなに困った顔をするな、クリス。
そうだな…今が潮時だろう。
様子見もここまでにしておくか。

クリス
ジョルジュ殿?

ジョルジュ
以前オレは、お前に好意を持っている、
と言っただろう。
あの時お前は、信じてない様子だったな。
オレも、しょせんは打算だ、と付け足したが。

オレがもしも"打算でも何でもなく、ただ純粋にお前を好いている"
と言っていたら、お前はどうしただろうな。

クリス
それは、ないでしょう。
ジョルジュ殿のことですから、何かお考えが…。
というか、いきなり何故そのような話…。

ジョルジュ
…お前を、クリスを好いているこの心は、
策略や打算などからくるものではない。
オレの本心だ、とでも言えば分かってくれるか?

クリス
!…えっ、えっ!?

ジョルジュ
お前は恋愛事に疎いと聞いてな。
自分の気持ちに戸惑いを感じ、
オレからも、自分の気持ちからも逃げていた…
おおかた、そんなところだろう。
言っておくが、さっきから頬が赤いぞ。

クリス
…!

ジョルジュ
生憎、オレは自分に向けられる好意に対して
そう鈍くないんでな。…逃げるな。
以前、オレの浮名がどうと言っていたが、
近頃聞かんだろう。それはお前がいるからだ。

クリス
、それは、どういう…。

ジョルジュ
…鈍いやつだな。
まあいい、じきに分かるだろうよ、クリス。



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