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▼ リュート


突然だけど友だちってなんだろう。どうすれば人と友だちになれて、友だちになったとして何をすればいいのだろうか。

「ナマエ、ここにいたのだな」
「リュート…うわあ!?」
「お前は何をそんなに驚いているのだ?」

椅子から飛び上がる私を見て、彼は不思議そうに目を瞬かせる。

穏やかな昼下がり、のんびりと本を読んでいた私の前に現れたのは、先日"友だち"になったばかりのリュートだった。そこまでは何も問題ない。とすると私が何を見たのか。

「いきなりなんでリュートは剣で切りかかってくるの!?」
「だめなのか?」

私の態度を見て、考え込むように顎に手をあてる彼。私が読んでいた本は可哀想に、リュートによって斬りつけられ真っ二つになっていた。

「私を殺す気かあんたは!?」
「いや、お前を殺すつもりなどさらさらない。ただ、ナマエと俺は友だちだろう?」
「それとこれと、なんの関係が…」
「ナマエとはずっと友だちでいたいからな…お前の血を使って、俺から離れられなくなる呪いでも作ろうと思ったのだが…」
「怖い!発想が怖い!」

友だちってなんだろう。冒頭の疑問に遡るがさすがの私でも分かる。リュートのいう"友だち"は普通のものではない。


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