「すまぬ、白哉」
「は……え、爺様?」
「ここのところお前とはろくに話もできず、構ってやれなかった。すまぬ」
「そんな、滅相もございません! 爺様がお忙しいのは重々承知しております」
「……そうか」
「はい。それに、爺様がこうして気にかけてくださるだけで、白哉は嬉しゅうございます」
「当然のことだ。お前は、私のたった一人の孫なのだからな」
「! はい……はい、爺様!」
「どうじゃ、白哉。今晩、ともに月見をせぬか」
「月見、ですか?」
「うむ。久方ぶりに、私もお前と話がしたい」
「は、はいッ! 私も爺様にお話ししたいことがたくさんあります!」
「楽しみにしておるぞ」
「はい、爺様!」










(今は当主としてではなく、一人の祖父として)

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