「びゃっくーん!」
「……帰れ」
「あのね、今日はびゃっくんに贈り物を持ってきたんだよ!」
(まるで聞いておらぬ……)
「はい、これ!」
「? ……まさかとは思うが、これは“ちょこれーと”とやらか?」
「うん! 甘くておいしいんだよ」
(おかしい……草鹿が他人に甘味を贈るなど、明日は雪か)
「どーしたの、びゃっくん?」
「これをなぜ私に?」
「だって今日はバレンタインデーだよ! 女の子が大好きな男の人にチョコレートをあげる日なんだよ」
「……」
「剣ちゃんとつるりんとゆみちーにもあげたの! みんな大好きだもん!」
「……なぜそこに私を入れる」
「びゃっくんのことも大好きだから!」
「……」
「嫌だった?」
「いや……礼を言う、草鹿」
「! うんっ!」










(その気持ちを、ほんの少し嬉しく思った)

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