※斬魄刀異聞篇後





 アンタは知らねえ。俺たちがどれだけアンタを心配して、アンタを待っていたのか。
 アンタが俺たちを裏切ったんだと聞いたとき、俺は信じられなかった。アンタが裏切りなんて、ンなこと絶対にねえって、俺の魂が叫んでたんだ。裏切りとか反逆とか、アンタにゃ全然似合わねえよ。
 だけど、アンタは俺たちに刀を向けた。いったいアンタが何を考えてんのか、俺には何にもわからなかったけど、それでも嘘だと信じたかった。アンタの裏切りには、何か理由があるんだって。
 そう信じてアンタと刀を交えたけどよ、やっぱアンタには敵わなかった。俺が魂から吼えても、アンタはその魂を見せちゃくれねえ。アンタはそうやって、いつも自分の心を他人に見せようとしない。だから、俺にはアンタの考えてることがわからなかった。
 でも、現世でアンタの戦ってる姿を見て、裏切りの理由を全部知って、やっぱりアンタは俺の越えるべき人と何ひとつ変わっちゃいねえんだってわかったんだ。言いてえことも山ほどあったし、一発くらいはぶん殴りたかった。
 もっと周りに頼れよ!俺だってアンタの副官だろ!
 そうやって叫びたかった。だけど、やっぱ何よりも嬉しかったからよ。止めちまった。アンタを怒鳴るのは後でだっていいと思ったから。

 ――なぁ、朽木隊長。

 アンタは俺の目標なんだ。今はまだ頼りねえかもしんねえが、いつかアンタが一人で抱え込まねえように、俺はもっと強くなっから。そんときは、俺にも頼ってくださいよ。










(魂に誓った、俺が越えるべき唯一の人)

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