2 | ナノ 愛していても限度があります
重なる唇を許してね
モルヒネの海に浮かべたアネモネ
あの男が君につけた火傷の痕がこんなにも忌まわしく、そして愛しくもある
ねえどんなに望んでもあの子の睫毛に止まった光にも触れられないのかみさま
僕が世界と水葬されたら君は嘆いてくれるのかな、ひとになれなかった人魚みたいにさ
さよなら輪廻また明日
惚れた弱みだ仕方ない
あなたの腕のなかで死なせてください
羊の角をつけた天使
悪夢が終わらない、そうかこれは僕の世界だった
祈りにも似たあの涙が見えないのか
僕らの横たわる場所
棺の置き手紙
腐り落ちた視界を繋ぎ止めるもの
さもなければ子供のようにすがる腕を振り払えぬもの
愛していないごっこ
青い海、白い砂浜、黄色いビーチパラソルのジオラマ
いちごタルトの森
犯人は赤のポルシェで逃走している模様です
愚問である
珊瑚と花の羊水
アンダーローズ