思いきり伸びて倒れ込むと青く、でも、雲に薄く覆われた空が視界に飛び込んできた。
と、思いきや。
飛び込んできたのは、空よりも明るい水色の髪に褐色の肌。
「おいこらなにやってんだよ」
「あんたこそなにやってんの」
少し考えた後、倉間は口を開いた。
「休憩」
「んじゃあ、わたしも休憩」
「なんだよそれ」
「そっちがね」
互いに意味が分からないって言い合って最終的には、
「「あははっ!」」
顔を見合わせてけらけらと笑いだす。
いつも繰り返すこれに飽きることはないんだと思う。
「ほら」
「お、ありがと」
倉間から渡されたのは紙パックのいちごオレ。
カフェオレですら苦いと感じるお子様舌の持ち主の名前にはこれくらいが丁度いい。
ちなみに緑茶は苦い方が好みらしい。
「典人ーカフェオレ美味しい?」
「不味くはない」
「それはなに、美味しくもないわけ?」
「試すか?」
「ん、」
目を瞑って待つ名前に当然のように少量のカフェオレを口に含むと、口移しでそれを与えた。
大袈裟なまでに喉をならして飲み込んだのを確認したが、倉間はなおも離れようとしない。
「ちょ、っの、りひ…とっ」
「悪ぃ。なんかそそられてつい」
そういいながら倉間はまた名前の口をふさぐ。