閑話
「遅い。何してたわけ。終演後すぐ楽屋挨拶行くって言ったよね」
幸のキツめの声が三角と一成に飛ぶ。ごめんなさいと笑う二人の前を、天馬、幸、椋が並び、椋は幸を宥めている。
「うーん、ファンサ……みたいな?」
先程までの出来事を掻い摘んで話す一成の隣で、三角は嬉しそうに笑い、椋は目を光らせた。
「また来てくれるって〜!」
「三角さん『アイドル☆レボリューション』のタクマみたいです! かっこいいです!」
「なにそのタイトル……」
「むっくんが最近ハマってる少女漫画だよね!」
「はい! アイドルのタクマとファンのユイが偶然出会って恋に落ちるラブストーリーで……」
「椋、楽屋着いたよ」
コンコンと数度ノックをする。
軽い返事を聞き、楽屋へと入っていく。