第4回「食」 | ナノ


名前さー、最近、太った。とウソップに言われショックを受けた。確かに私は食べるのが好きで、よく食べているがそこまで太っていない気がする。船内のお風呂に入ったとき、姿見を見たがそこまで肉はついていないかったが、二の腕を触ってみると太っていた。

「断食するぞ!」

と宣言してから三日、私は朝昼は普通に食べて夜は食べない生活を繰り返しており、サンジ君の美味しい料理が食べられないとなると結構精神がキツいものがあるがこれも痩せるためだ。仕方ないことだ。

「はぁ…」

今日は皆が町を散策しており、私は一人甲板で船の見張りをしていた。今頃、皆楽しんでいるんだろうなぁ。って、いかんいかん。私は見張りなんだ。集中しないと。両頬を叩き、見張りに集中しようとすると、「おーい!」と声をかけられる。


「ルフィ!」
「名前、見張りお疲れだろうと思ってよ。お土産買ったきた」

一番早く帰ってきたのはこの船の船長であるルフィで、お土産を買ってきてくれたらしい。お土産は何だろう。と思い、ルフィが手に持っている手提げ袋を見ればそれは、ケーキだった。

「ねぇ、ルフィ」
「ん。何だ?」
「私がダイエットしてるの知ってるよね」
「知ってるぞ」
「で、何で買ってきたの?」
「ご褒美があってもいいだろうなー。と思ってよ」

ほら、あーん。と箱からケーキを取り出し、箱についていたスプーンでケーキを掬うと私の口元までルフィは持ってきた。いやいやいやいや。私は食べないぞ。食べたいけど、食べないぞ。けど、ルフィが買ってきてくれたしな。私は考えたあげく、スプーンに乗せられたケーキを食べる。口の中に甘い味がふわっ。と広がる。

「おいひい」
「だろ。ここ、超並んでてさー。買ってくるの苦労したんだぞ」
「ありがと。ルフィ」
「ししっ。後、やっぱり名前は食べてる姿が可愛いし大好きだ」

今、なんて言った。可愛い?大好き?多分、天然なルフィのことだ。私を好きでいるはずがない。そう思い、ルフィから残りのケーキを受け取ると、私は気分を紛らわせるため一口で平らげた。

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