1万打企画 | ナノ
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▼ 私だけの秘密

「…そういえばここに来る時に給仕の女とすれ違った」
「私の部屋から出ていった子かしらね」
「よくお前の部屋から出てくるのを見るがガレットの担当だったか?」
「いいえ、お気に入りだからよく呼び出してるだけ」

仕事の話が終わり、特にこれからの予定も無かったようだ。カタクリとガレットはそのまま雑談を続けている。今日のガレットはカタクリの口布に意識がいっていた。一瞬目を離した瞬間におやつが無くなる光景というのは、いくら甘党ばかりのシャーロット家であってもカタクリぐらいのものだと思う。そして、先程の話を聞いた後だと首元のファーを見てしまうのは仕方がない事、だとガレットは思う。

「…何かおれに付いているか?」
「いいえ、ついてないわよ?何も」

図らずもの言葉遊びにガレットは笑みを浮かべる。対照的にカタクリの方が浮かべるのは疑問符だけだ。優しいカタクリ兄さんは見聞色の覇気をいたずらに使ったりはしないと知っている。

「そうそう、さっきの給仕の話だけど希望すれば担当に付ける事はできるのよね?どうしようかしら、他の兄弟に取られちゃったら」
「…それは早い者勝ちだろうな…」
「困るわね…兄姉なら無理は言えないし、妹弟でも玩具を取るような事は出来ないし、やっぱり夢主を担当にしちゃおうかしら…」
「…」
一瞬言葉に詰まったのをガレットは見逃さなかった。…面白いと内心ほくそ笑む。

「…おれから誰の担当にも付けないように給仕長に言っておこう。そうすれば知らぬ内に誰かに取られる事はないだろう」
「本当?ありがとう!!」

「お前の担当に付けるように」と言わない辺り私情が混じっている。鎌をかけけみれば丸わかりな兄の好意。顔色にこそ出てないけど発言を考えれば端々に夢主に対する好意が見て取れる。そもそも数多いる給仕の中で、良くも悪くも対して目立たない夢主の事を個人として覚えている時点でお察しというものだ。更にわざわざそれの話を自分から振るなら尚更。

兄さんも見聞色の覇気を使えばすぐに夢主の思いなんて分かりそうなものなのに

ガレットは2人のが同じ思いである事を分かった上で何も言わない。私たちの完璧なお兄ちゃんが手にしていない彼女という特別を、もう少しだけ独り占めしたいからだ。



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(次ページは後書き&さこと様へ)





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