ワンピ短編 | ナノ
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▼ リンドウ

「え、辞めた……!?」

私が仕事でウォーターセブンを離れているうちに何があったと言うのだろうか。今年のアクアラグナは特に激しかったとは聞くが、それに負ける島ではない。聞けばカクやカリファも同時に辞めたらしい。本当に何があったと言うのだろう。

ちゃんと気持ちを伝えればよかった。 多分、両思いだったと思う。友人以上、恋人未満という言葉の似合う関係だった。でももう、どれだけ後悔しても彼は戻ってこない。パウリーに彼は今どこにいるのか聞いても答えは得られなかった。

彼の話を聞く前に飾ったリンドウの青がみるみるうちにぼやけていく。少なくとも今日は泣き倒すしかない。

ああ、ブルーノのところでやけ酒でもしようか……だめだ。彼もいつの間にかいなくなったと聞く。彼の酒といつも酒場に来ては喧しくしていくフランキーがいれば気も紛れたというのに、フランキーでさえもつい先日海に出たと聞く。

拠り所という拠り所を無くした私は、無様に1人で泣くことしか出来ないのか。



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