ワンピ短編 | ナノ
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▼ 報告:今回のお茶会も問題なし

「ペロスペロー!ああ、やっと会えた」
「ん?パイチェか、何か急ぎの用でもあったかね?」

ホールケーキ城の屋上で今日も最後の客のエスコートをしていたペロスペローに、彼女は彼女で会場内でゲストの持て成しをしていたパイチェが声を掛ける。

「何って…決まっているでしょう?Happy Birthday ペロスペロー」
「ありがとう。Happy Whiteday パイチェ」

そう、今日の『お茶会』はホワイトデーパーティ、つまりペロスペローの誕生日でもある。

極めて軽い調子で、それこそ半分投げ渡す様に渡された小箱をペロスペローが受ける。そこまでデリケートなものでは無いと判断したペロスペローはそれを小脇に挟み、テーブルナプキンを取り出したかと思えば、両手でその内に琥珀色のミニブーケを作り出して妻に差し出す。

琥珀色の飴で作られた6本の薔薇の可愛らしいブーケと高級感ある黒地に白リボンの片手サイズの小箱の交換を、その見た目の優美さとあまりにかけ離れた簡素さで済ました2人は、その流れで1人は早速プレゼントを開封し、1人は艶ある花弁を1枚折り取って口に食んだ。

「時計か」
「最近調子が悪いって言っていたでしょう?」

金具を指に挟み軽く一回転させるが華奢な鎖で繋がれた時計は安心感をもって手元に戻ってきた。選んだ者の性分を表すが如くに丈夫で実用的でシンプル、しかし品のある物だ。早速コートのボタンホールに掛けてポケットに仕舞う。

「毎年貰っているけどやっぱり年々味も見た目も良くなる一方ね」
「当然だろう?ペロリン♪」
「過ぎた発言だったかしら?」
「賞賛の言葉は何度貰っても嬉しいもの、天邪鬼と笑うかね?」
「そう」

ちなみに去年は糊空木だった。今年は薔薇だが琥珀色な辺り自分達らしい。本物のと同じぐらいの薄さの花弁は口に食めばすぐに舌に溶けてしまうので早くも2枚目を食みながらパイチェは笑った。

「いけない、そろそろお茶会が始まってしまう。席に着かないと」

薔薇を1本だけ取り茎を半分折って自分の髪に差した。濡れ羽色の髪に琥珀の映えること。残りのブーケを片手にもう片手は旦那様に引いていただく。

ペロスペローも自然にそれを受け入れて極めて自然に手を引いて2人で宛てがわれた席へと向かう。時計をちらりと見たペロスペローは時間ギリギリ、だがまぁ普通に間に合う時間だ。さて、楽しいお茶会はこれからだ。



Happy Birthday Perospero !! 14 March 2018



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