×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




積み重ね 隠れし真理 いざ見やん 笑わし少年 悪戯せり

「あ、蘭姉ちゃん?
今日博士のところに泊まるね!」

『え!?ちょっと急に「じゃあ!」あっちょっと』

「よしっと」

「おいおい新一…」

「向こうじゃ推理なんておちおちしてらんねーだろ」

「けーっきょく持って帰ってるし」

「20年前の教師の自殺、10年前の生徒自殺、8年前の転落事故、大元となった24年前の少女誘拐、暴行監禁殺人事件、か」

「10年前と8年前の事件は工藤くんが通ってた頃でしょう?」

「あぁ、覚えてるぜ

生徒の自殺の方は入学して、五月くれぇだったかな。6年生が音楽室で首を吊ったってやつ。
指を怪我して以前のようにピアノを弾けなくなったことに悲観して自殺」

「へぇ。じゃあ直接あなたとは関わりはないのね」

「あぁ。実際これは自殺だろうって父さんにも話は来なかったしな。
俺は俺でその時頼んでも音楽室見せてくんなかったし」

「それ、当然だから」

全く、とため息を灰原がつく

「まぁ、資料上は気になることはなし。
現場を見ないことには捜査のしようもないけどな」

「ふーん。でも、その女の子、ほんとに悲観しての自殺だったのかしら」

「さぁな、それはまだなんとも言えねぇ

で、次、転落事故は1人が転落死した事件。
俺が9歳、小3の頃に確か、死んだのは着任一年目の先生で、あぁあった。
図書室に授業で使用する資料を取りに行って、高いところにあったから脚立を使ったらその脚立から転落。
背後の本棚の角に後頭部を強打し出血、嘔吐。
その日は夜遅くまでその先生は居残っていたらしく校舎には見回りを終わらせた警備員のみ。
翌朝の見回りの警備員が遺体を発見したが死後7時間は経過していた。
どうやら暫くは生きてたらしくどうにか図書室から這い出ようと扉に向かっていたが扉の3m前で事切れてた事故」

「どうして転落事故って決定づけられてるの?
誰かが忍び込むか潜んでて脚立を揺らして転落させたことも考えられるじゃない?」

「可能性はないとは限らねーが、まぁ妥当だろうな。
侵入者の痕跡はなし、ゲソ痕、指紋、遺留品が見つかんなかったんだ。
警察ならそんなもんだろ」

今度はコナンがため息をついた。

「そして、これが一番古ぃ20年前の教師のノイローゼによる自殺。
5年の担任だったその教師はクラス内のイジメを何とかなくそうと躍起になってたらしい」

「なるほど?
熱血教師はいじめられっ子を庇うようになった。
いじめっ子たちはそれが面白くないし鬱陶しい、そしていじめっ子はイジメのターゲットをその教師に移した、ってところかしら?」

「だろうな。
無視、反抗、その他諸々。
まぁ現代じゃノイローゼなんて使われねぇけど」

「これも、自殺、ね」

「だが、気になる点が一つ」

「気になる点?」

「この自殺した教師は24年前の児童誘拐で誘拐された女児の担任だったらしい」

「へぇ、でも、関わりがあるとは思えないけど」

「それは調べてみないことにはなんも言えねぇな」


ニヤリと悪戯を思いついたような、あの特有の笑みを浮かべるコナンに灰原は溜息をつき、止めていた手を再びキーボードに走らせた。


積み重ね 隠れし真理 いざ見やん 笑わし少年 悪戯せり


名探偵の下す判断とは。

[ 6/17 ]

[*prev] [next#]