※オズが学生、ギルが会社員の設定














 《追伸、》








ぷるるるる





あれ、携帯なってるや。
オレは携帯を手にとり、液晶に映った名前を見て、胸が高鳴るのを感じた。
そうして、5回ほど深呼吸をして・・・・通話ボタンを押した。





「もしもし?」
『あ、オズか?元気にしてたか?』
「うん、元気にしてるよ。ギルは?」
『ああ、元気だ』






かかってきた相手は、オレの恋人であり、ただいま絶賛長期間出張中のギルバート・・・通称ギルから。
仕事で忙しいだろうに、ちゃんとオレに電話してきてくれるなんて・・・!!
やばい、頬が緩む。


「ギルは仕事忙しいのー?」
『少しな。大丈夫、すぐ終わらせてそっちに帰るから』
「ん。分かった。あのね、期末テストで1番だったんだよ、オレ」
『そうか!』



ギルの嬉しそうな声が響く。


『さすが、オレのオズだな』
「ふふ。さすが、ギルのオレでしょ?」


くすくすと笑いあう。
平静を保っているけど、オレの中ではお祭り騒ぎだ。嬉しい嬉しい嬉しい。ギルが、オレのオズなんて。やばい、後でエリオットに自慢しよう!!



『そういえば、オズ』
「ん?」
『お前、今どこにいるんだ?なんか・・妙に音が響くんだが』
「へ?普通にお風呂だけど?」
『あーなるほど。普通にお風呂・・・・お風呂ぉぉぉ?!』
「ちょ、ギルうるさい」


オレは思わず、携帯との距離を置く。
なんでそんなに驚くんだよ?
耳がひりひりするのを我慢して、再び携帯を耳に当てる。


「もしもーし、ギル?」
『平常心平常心・・・・何も考えるなよオレ・・・』
「・・念仏?ギルってば、そんなに信仰深かったっけ?」
『いや、オレは信仰するならオズを信仰する・・・・じゃなくて!』
「ん?」
『おっお風呂に入ってるなら、電話出るなよ!後でかけなおすし』
「やだ」
『何でだ?』




だって、ギルがせっかく電話してきてくれたんだもん、と呟くように言うオレに、ギルは固まったらしく、声が聞こえなくなった。
なんでだろ・・?変なこと言っちゃったかな・・?



「おーい。ギルバートさん?」
『オズ・・・・お前・・・可愛すぎる!!!』
「・・・へ?」
『可愛すぎるだろう!くそっ、早く帰りたい!オズを抱きしめたい!触れたい!』
「オレも、ギルにぎゅーってしてもらいたいなぁ」
『つっ・・・!そんな可愛いこと言ったら、死ぬまで離さないからなっ!』



本望です。そう言って2人で笑いあって。
何時間でも話していたい。だけど、ギルはお仕事できっと疲れてる。
もう、そろそろ電話終わりにしなきゃ。






「じゃ、オレ・・もうそろそろお風呂上がるから切るね」
『あ・・そうだな。オズは明日も学校だしな・・・・』



途端にしんみりとなるオレとギル。
お風呂に浸かりながらだから、体はあったかいのに、なぜか寒さを感じる。
そうか。この寒さは、寂しさか。




今すぐ帰ってきてほしい。
だけどそれはオレのわがまま。ギルを困らせるだけ。
だからオレはこの気持ちを飲み込む。






「じゃあ・・お仕事がんばってね」
『ああ。また時間があったら電話するから。それじゃあな・・・』





 
だけど、せめて。
今すぐ会いにきて。帰ってきて。とは言えない代わりに。
せめて。








「ストップ!ギル!」
『どうした?オズ』
「追伸があるのっ!」
『追伸?』
「追伸・・・・・・」














大好きです


























初々しさを目指したんですが・・・・なんだろう?(笑
この後、エリオットに惚気話でもしてるんじゃないかと・・





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