※学パロ











《気になるキャッチフレーズ》  












『気になるあの子を落とせちゃうかも?!』






そんなキャッチフレーズに、オレの足は止まった。
ちょうど居るところは商店街の、とある店先。そこに目を引くような目立つ大きな紙が張られていて。それをまじまじとそれを見てしまい・・・・はっ!と我に返る。
いかんいかん。オレはエリオット=ナイトレイだぞ?!ナイトレイの嫡子である物が、このようなものに目を奪われるとは・・・!!恥を知れ!


頭をふりふり振って・・・でもやはり気になって。こっそり見てみる。
どうやら、新商品の香水の紹介らしい。
香水か。オレは、眉をひそめた。どうにも香水は好きにはなれない。そんなちゃらちゃらしたものなど、どうして必要か?答えは否だ。
紹介文には続きがあって。
『優しく甘い花の香りで、しつこくなく、爽やか。どんな女の子にも好かれるので、つけたら女の子が放っておかないかも?!(笑)』



「何が(笑)だばーか」





そんなもので、好きな奴が寄ってくるわけないだろう!
 
好きな奴・・・・

それを思い浮かべると、なぜか、隣の席の奴が浮かび上がってきた。
その人物の名はオズ=べザリウス。
ナイトレイ家と同じくらいの規模の名家、べザリウス家の長男。さらさらの金髪に、ぱっちりと澄んだ翡翠の瞳。整いすぎた顔立ちは、まるで精巧な人形を思わせるほど。人当たりも良く、クラスの人気者。勉強もでき、スポーツも万能。バイオリンもコンクールで賞をもらうほど。

いやいやいやいや

オレがあいつを好きなんて・・・!というかそもそも男・・・いや!女よりふつうに可愛いんだが!
すぐオレをからかってくるし・・・ぎゃーぎゃーうるさいし。
 


「オレがあいつを好きなわけ・・・」



そんな時、ふと50メートルほど先に、きらりと金髪が光った。
つい店の棚の裏に隠れる。

しばらくして目の前を通ったのは・・案の定オズだった。
ってか何でオレは気づいたんだ?
オズは、とことこと歩いていて、オレが見つけた紙に気がつき、ふと足を止めた。


そんなオズに気がついたのか、店の店員がやって来て、

「これ、新発売の香水なんですよ」
「へー」
「かいでみます?」


そう言って、試供品をオズに手渡す。
オズは蓋を開け、目をつぶり、くんくんと匂いをかいだ。
その光景が・・なんというか・・その・・色っぽくて・・・・心なしか店員も顔を赤らめている。恥を知れっ!


「いい匂いですね」
「で・・でしょう?どうですか?」

オズはうーんと悩み、

「オレはいいです。香水つけたら、ギルが悲しむので」
「ギル?」
「オレの幼馴染なんですけど、オレの匂いフェチらしくて」



ぎ・・ギルバート!!!
義兄の顔を思い出し、頭を抱えた。
義兄は「オズ命」の男で、恐ろしくオズに世話を焼いていると聞く。ったく!オズに何してやがるんだあいつ・・・・っ!!
何でオレは怒ってるんだ?!


悶々と考えている間に、オズはいなくなっていた。
店員の落胆度から、オズは買わなかったらしい。
オズは、あの匂いが好きだと言っていた。でも、義兄のせいでつけれないと言っていたな・・・


気がつけばオレは、その香水に手を伸ばし、レジへと向かっていた。
べっ・・別に、オズが好きだと言っていたからというわけではない!断じて!!



















次の日。
さりげなく、軽く香水をつけてみた。
なかなかいい匂いだ。悪くはない。

いつものように、早めに家を出て、早めに学校に着き、のんびりと英語の予習をしていた。
皆がぞろぞろと登校し始め・・


「おっはよー」

オズだ。
いつものように、クラスメートに笑顔を振りまきながら教室に入ってきて。

どくんどくん


バカみたいに胸が高鳴る。




「おはよーエリオット」
「おはよう・・・」
「あれ?」


自分の席に鞄を置き、オレの朝の挨拶をして・・オズは何かに気づいたらしく、オレの元に近づき・・・・オレの胸元に顔を寄せた。




「つっ・・!!」
「あれれ?これって、新発売の香水でしょ?」
「ああ」
「エリオットって香水つけるんだねー意外」
「意外とは何だ!悪いかオレがつけたら!!」


やっぱこいつむかつく!
オレはもう半分ヤケでそう怒鳴ると、オズはくすくすと笑っていた。






「んーん。オレは、そのままのエリオットの匂いが好きなんだよねー」
「毎日風呂入ってるぞ?!」
「そんな汚い匂いじゃなくて」



オズは、オレの胸元に再び顔を寄せる。
顔と顔が近くて・・・
くらくらする。
酔っているみたいだ。
オズに。





「優しい匂いって感じで」





オズははにかむ。








「好きなんだ、オレ」






















久々のエリオズ更新。何か、管理人は、ギルオズ・エリオズが交互にくるんですよね。波が。
エリオズ波がやってきました(笑
ツンデレなエリオット萌えwww

お題は『恋したくなるお題 』さまの「無自覚な恋の仕草」より





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