泣き出す寸前


歪んだ性癖なのかもしれない。
“それ”がとても好きで、“それ”が見たいなんて。

「丸井」

びくり、と細い肩が震える。
大きな瞳は睨むようにこちらを見上げて、でもその表面は涙の幕で覆われている。
今にも零れ落ちそうなそれを必死に堪える表情が、堪らなく愛しい。
涙に濡れてぐちゃぐちゃになった顔も好きだけど、一番好きなのはやっぱり意地を張って、強がって、泣くまいと可愛い顔を歪めているこの時。

だから今日も、ついいじめてしまう。
って!」
「? コガ?」

周りにはわからないのをいいことに、水戸部がすっとお尻を撫でて言ったんだ。





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雑多な365題:9

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