嵐山の鬼退治

(2/12)

むかしむかしあるところに、金髪のイタリア人のおじいさんと黒髪で中国人のおじいさんが住んでいました。
「いや、俺たちお兄さんだから。まだ若いから」

…えー、じゃあお兄さんとお兄さんが住んでいました。
「なぜ私がギリギリイタリアンと一緒に住まねばならんのだ」

…面倒臭いなあんたら…。
えーと、黒髪のお兄さんが一人で住んでいるところに、金髪のお兄さんが遊びにきました。これでいいだろ。

金髪のお兄さんは山へ芝刈りに、黒髪のお兄さんは川へ洗濯にいきました。
「なんでそんなことしなきゃなんねーの?」
「意味がわからん」
いや、一々そんなこと言ってたら話進まないから。勘弁して。
とにかく芝刈りと洗濯行ってきて。

「う−ん、じゃあなんでかは知らないけど山へ芝刈りに行ってくるぜ」
「私も理由はないが川へ洗濯に行くとしよう」

こうして二人はそれぞれの仕事に出かけました。


黒髪のお兄さんが川で洗濯をしていると、川上からどんぶらこどんぶらこ、と大きなおたべが流れてきました。

「気持ち悪ッ!皮がドロドロに溶けているし餡がはみ出しているじゃないかッ。それにニッキ臭いぞ」

お兄さんはそのおたべを拾ってお土産にしようと考えました。
「嫌だ」
…そこをなんとか。じゃないと話終わっちゃうんで。
「貴様の都合など知ったことか」
いや本当お願いしますよ。こっちも生活かかってんですよ。
嫁と子どもに美味いもん食わせてやりたいんすよ。
「…ふん。仕方ない、非常に不本意だがこの巨大八つ橋を持って帰るとするか」
ありがとうございます…。


そして夕暮れ。金髪のお兄さんが帰ってきました。
「ただいまマーカー!山行ったらさ、なんか途中の竹薮で光る竹見つけてさ、気になって切ってみたらなんと中から赤ん坊が☆二人で育てようぜ♪」
「捨てて来い」
「ええええ…!いや、犬とかじゃないんだから…」
話と関係ないので捨ててきてください。
「あ、あんたまでそんな……うう、さよなら竹子…」
金髪のお兄さんは赤ん坊を捨てました。(幼児虐待ではありません)

「竹子か…適当な名前だな」
「うん、今つけた」
「それより、今日は土産があるぞ」
「え、マーカーって川に洗濯しに行ってたんじゃねぇの?」
「そうだ」
「川のお土産って何?魚とか?」
「いや、八つ橋だ」
「なんでおたべ!?つか、でかいよ!しかもドロドロしてる!あとニッキ臭い!」
「同感だ」
「なんで拾ってきたの…?」
「わからん」
「………」
「………」



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