サプライズボックス

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部屋の前で青ざめているとグンマが背後を通りかかった。

「おいグンマ!なんか俺の部屋に『わてが誕生日プレゼントどすv』とか言いながらストーカーが出てきそうなでけぇ箱が置いてあるぞ何の嫌がらせだ!」

「知らないよ!『わてが誕生日プレゼントどすv』とか言いながらストーカーが出てくるんじゃないの開けてみなよ!」

チッ。疲れと眠気で機嫌悪いな。まだ11時だぞお子様め。
船の中ではあんなにニコニコしてやがったのに薄情なやつだ。

「開けられる訳ねぇだろほんとに出てきたらどうすんだ!」
「出てきたら眼魔砲で追っ払ったらいいでしょ!」

なるほど確かにそうだ。別にどすえ的ストーカーでもそうでなくても力で負ける気はしねぇ。
疲れたから開けずにぶっとばそう。怖いし。

返事をしようと思ったらグンマは廊下を曲がって去ってしまっていた。
そんな切なさを胸に俺は扉を開けて箱を睨んだ。

「ふふ…ふふふふ……」

なんか気味の悪い笑い声が聞こえる。士官学校に入学した頃から聞きなれている声がする。京都的な変態的な祇園仮面的な声がする。
刺客とかオバケとかの方がまだマシだ。変態の相手は疲れる。

箱の中の人物が馴染みのストーカーだと確信したのでシカトを決め込むことにした。
音を上げて出てきたらぶっ飛ばす。それまで放置する。
でも怖いから寝る前には問答無用でぶっ飛ばす。
うむ、我ながらナイス対処法。伊達に10年以上ストーカーされてない。

俺が部屋にいるので箱の中の奴はそわそわしているようだ。
気づけと言わんばかりに咳や衣擦れの音でアピールしてくる。
こちとら気づいて放置してんだよ。
今この部屋をみて箱に気づかない奴がいたらそいつは相当の馬鹿だ。チンくらいだ。



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