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≪誰がために燃ゆ≫


幻想的な煌めきを纏い
その美しさで観る人を魅了する

闇に映え、光を従えながら
優雅に舞い踊る

強い光と熱を放ち
周囲の輪郭を浮き彫りにする

その実態は儚く脆く
触れる者を皆傷つける


お前は炎そのものだ



ならば、
お前に触れられるのは私だけのはずだ
お前を支配できるのは私だけのはずだ
お前が愛し慕うべきは私だけのはずだ


他者を傷つけながら
平然と輝いてみせるお前には
何人たりとも触れたがらない

自らに炎を宿し
傷つくことのない私以外、
決してお前には触れられない


それでも、あの男のために死ぬというのか
己のためには死ねぬというのか
私のためには死ねぬというのか

――アラシヤマ!



「師匠…お師匠はん」


灼熱の手が私の頬に触れる

すべてを否定するように
皮膚が音を立てて焦げ付いた

皮下組織まで侵されたそこは
じきに壊死することだろう


「死んでくれなはれ」


私を傷つけるのか、アラシヤマ

この世で唯一人、お前を愛することができる私を
この世で唯一人、お前を愛してきた私を


「…わてと、一緒に」


何故か喜悦の色を浮かべる弟子は
もう私のものではないのだろう

纏わりつく炎を払うと
弟子は絶望の淵へ沈んでいった

愚かな弟子の最後の灯火が
私のために燃え尽きてゆく


最初で最後の私の弟子よ
もし、触れられもしない誰かのために
生きる覚悟を決めたなら
許そう、どこへでも好きにゆくがいい

私を傷つける炎など
この手で絶やす価値もない


痛むはずのない死んだ皮膚が
熱気に煽られヒリヒリと痛んだ




***
伊達vs特戦、極炎舞のシーン。
この二人には、"家族"ではなく"師弟"としての父子の絆があって、
師として父として弟子の変化は悔しかったろうと思います。
ちなみに、アラシヤマの喜悦の表情の意味は、マーカーが解釈したものとは違います。
師の思いは弟子に伝わらず、弟子の心は師にはわからない。



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(お返事はnewsにて)



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