短編 | ナノ




短編
君に問う


どうして?






そんな問いばかりが頭に浮かぶ。






どうして、君は目を開けないの?


いつも、その大きな瞳に僕を映してくれた。


ねぇ、早く目を開けてよ。

ねぇ、僕のことをちゃんと見てよ。

ねぇ。






どうして、君は何も言わないの?


いつも、その澄んだ声で僕の名前を呼んでくれた。


ねぇ、早く何か言ってよ。

ねぇ、その声を僕に聞かせてよ。

ねぇ。






どうして、君は僕の手に触れないの?


いつも、その暖かな手で僕を包んでくれた。


ねぇ、早く僕の手に触れてよ。

ねぇ、僕をぎゅと抱き締めてよ。

ねぇ。








僕の目に君は映るのに。

僕は君の名を呼ぶのに。

僕は君を抱き締めるのに。




そう、僕は君を抱き締める。


僕は君を抱き締めたんだ。


ただそれだけだよ。


それだけなんだ。




それなのに。








どうして?






どうして、君は息をしないの?

いつも、僕の隣にいてくれた。

ねぇ、早く息をしてよ。

ねぇ、僕の隣に立っていてよ。

ねぇ。




ねぇ。






どうして、君の首に指の跡がついているの?


ねぇ。


ねぇ。


どうして?


ねぇ。


ねぇ。



ねぇ、どうして?





――――――――
どうしてこうなった。
嘘です、計画通りです。
狂ってる系が好き←

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