星も醒める八月の夜
蜃気楼に抱かれてねむれ
檸檬と坂道
いつくしむ子ども
きみの淋しいうしろすがた
夏を識(し)る



きっとうだるようなこの熱のせいだ、
ぼくはきみの涙を見失ってしまったよ

「いつか」がこんなに残酷だなんて、
あの頃はまだ知らなかったのだ

いたいけな真夏の劣情
退屈とその日暮らし
夏猫のねごと
ありきたりな言葉が出てこない

2013.summer
 
- ナノ -