plan | ナノ


▼ とある面食い女子の鯖受難(槍兵詰め合わせ)

「フィオナ騎士団が一番槍、ディルムッド・オディナ、推参いたしました。これより貴方を守るサーヴァントとなります」

「イッケメェェェン!!」

「コラ子犬!?アタシから目を離すなって言ったでしょ!?」


エリザベートの言葉をまるっと無視してしまうぐらいに私の面食いセンサーが反応してしまった。驚きと表情を固くしたディルムッドの姿はいつも通りの光景だ。慌てること無くニッコリと笑って手を差し出した。


「見目麗しい殿方。どうか私と世界を救っていただけないだろうか?」

「え、あ、ああ、それは勿論」

「はぁぁぁ、見て見てエリザベート!物凄いイケメンだよ。そりゃ世の女性が放っとかないよねこんな美丈夫!」

「もうっ!なによ!なまえはアタシなんてもう可愛くないとか思ってるの!?」

「そんな訳ないでしょーが!めちゃくちゃ可愛いわ!はぁん、もう目の保養に困らないね全く!こんなん全力で世界救うしかないよね!」


置いてきぼりを食らってるディルムッドには悪いけど、少し機嫌を損ねてしまった私のNo.1アイドルの機嫌を取り戻すことのほうが優先だ。ディルムッドには悪いけどメディアに施設内を案内してもらうように伝えた。今日も綺麗ですねメディアさん!素直にそう伝えたら額にキスされた。あぁぁぁ、神対応かよ素晴らしいな!


「子犬はいっつもそう!ちょーっと顔がいいサーヴァントが来たらアタシの事をすぐ放っとくんだから!」

「ウチの可愛いNo.1アイドルを放っておいたことなんて一度もないんだけどなぁ。ね、笑ってよエリザベート。貴女の可愛い笑顔が見たいな」

「っ、もう!仕方ないわね!」


コロッと流されちゃうエリザベートの可愛さたるや。誰かここにゲオルギウス先生を。写真係を誰か。エリザベートの可愛い笑顔に口元が緩んでいたら肩を掴まれて振り向かされた。少しだけ膨れっ面をしてみせる槍のアルトリア(オルタ)がいて、くらりと目眩がする。エリザベートの怒ったような声が背後で聞こえた。


「マスター、私のことを放って置き過ぎではないですか」

「拗ねた顔も綺麗とかありがとうございます!」

「き、聞いてるんですか?」

「あ、そんな、顔を近付けてはっ、ひえええ、美形の暴力!」


そんなに顔を近付けられてはマスターは死んでしまいますぅ!槍トリア(オルタ)の頭を全力で撫でつつ、ぶっ飛びそうになる意識を必死で保つ。私のサーヴァントがこんなに可愛い&綺麗でいいのか。


「なまえー、クエスト行こうぜ、ってあー!お前らまた勝手にっ」

「邪魔をしないでください若造のクーフーリン。今は私の時間です」

「ちょっとー!勝手にアタシの子犬を取らないでってばー!」

「アッ、今度はイケメンがふっ」

「マスタァァァァ!?」


おおっといけない。イケメンと美人と可愛い子に囲まれてしまって、思わず吐血してしまった。槍トリアに口元を拭われつつ、クーさんに両脇を抱えられつつ、心配そうに私を見つめてくるエリちゃんにまたもクラッときた。ううん、美男美女は素晴らしいんだけども私には眩しすぎてうふふふふふ。笑いが止まらなくなってしまう。


「とりあえず医務室行くか?」

「お気遣いなく!クーさんの端正なお顔を見てるだけで治るよきっと!」

「…そっか」

「ファーーーーッ!照れるとか反則ですわーーー!」


クーさんに抱えられたまま顔面を両手で覆う。こんなん言われ慣れてる癖に照れるってなんだよぉ。私をどうしたいんだよぉ。チクショー!イケメンの照れって案外効くもんだなぁ!全くけしからんもっとやれ!
大丈夫だといってるのにクーさんの足は医務室に向かっていて、すれ違ったアンデルセンに「またか、馬鹿め」と言われて思わずありがとうございます!って言ってしまった。あとレオニダスに頭撫でられてふえええってなった。何だあのイケメン。


「友よ、どうしたのだ。そなたの制服に血が…、まさか貴様」

「違ぇよ。いつものビョーキだ」

「そうか」

「はぁん、心配が呆れに変わってもそのダンディズム漂うお顔で気にならないですぅ」

「そなたも飽きぬものよなぁ」


カラカラと笑うヴラド公に飽きる日なんて来ないと返したかったけど、ちょっともう笑ってる顔が私の幅広いストライクゾーンに決まって言葉が出なかった。あとクーさんビョーキとは失礼すぎじゃないかな!カッコいいから許すよ!んもう、イッケメーン!


「おやおや、また来たのかい?なまえちゃんの面食いは私でも驚くほどだよ」

「ダ・ヴィンチちゃん今日も美しいですね!キラキラしててもう私の目玉もキラキラになっちゃいそうだ!」

「んふふー、もー、なまえちゃんは調子のいい子だなー!」

「…おい、さっさとなまえの貧血どうにかしてくれよクエスト行けねぇ」

「おや、ヤキモチ?」


ダ・ヴィンチちゃんに頭を撫でられてだらけきった笑みをこぼしていたら、クーさんがすこーしだけ不機嫌そうにそう言った。どんだけクエスト行きたいのかな!任せろ、今日はクーさんとマリー(夏仕様)と玉藻(夏仕様)でクエストに行こうか!美女の水着可愛いです本当にありがとうございました。


「トナカイさん!私は連れていかないんですか?」

「ふぐぁ、サンタリリィの可愛さに胸どっきゅんなマスターを誰か断罪してください」

「もー、訳の分からないこと言ってないで私も連れて行ってください!後衛はまだ空いてますよね?」

「子供ながらのその強引さ、嫌いじゃない!」


リリィの姿なのに可愛いのか、リリィの姿だからこそ可愛いのか。どっちでもいいけど、やっぱり私のサーヴァントは美男美女が多すぎて幸せ過ぎる。そしてナーサリーとジャックの三人で戯れているところは本当に癒し空間ですありがとうございます!


□二周年記念



[ back to top ]