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▼ ヤンデレた三騎士は手に負えない

Help me!!と私が叫べば、何処からともなく青、白、黄色と言ったカラフルな頭髪をした面々がどうした!?と声を荒らげて飛んでくる。冗談でも何でもないから本気で怖い。一人は風を纏う見えぬ剣を携えて、一人は二本一対の陰陽の夫婦剣を携えて、一人は紅くギラつく一本の槍を携えて。


「どうかしましたかなまえ?顔色がいつもより青白いですよ」

「恐らく昨日の夜更しが原因だろう。女性は早く寝るようにと先日言った筈なんだが」

「何だよ寝癖もついてんじゃねぇか。ほら、直してやるからこっち来いよ」


美男美女に囲まれて羨ましい!だなんて思う人がいるかもしれない。違う違う、そんな甘っちょろいもんじゃない。私がほんの少しでも抵抗しようものなら原因を徹底的に洗い出して潰そうとするのだ。いや怖すぎぃ。私の行動が原因で顔も知らない人がコロッとされちゃう事件(未遂)があったから余計に気をつけないといけない。何で落ち着ける場所である我が家で気を張って生活しないといけないのか。


「疲れたなら甘いものを食べるといい。ホットケーキでも作ろう」

「材料に変なもの入れなかったら食べたいかも」

「ハハッ。私がなにか変なものを入れたことがあったか?」

「カレーに血を入れて食卓に出したことは未だに許さない」

「愛情と言ってくれ」

「あんな生々しいものを愛情とは言えない!」


変なものは入れてないと言い切るアーチャーに寒気がする。色分からなくして血を入れるとかどんだけ病んでんの。怖いよ、震えが止まんないよ。一口食べちゃったんだからな!味がなんか鉄臭いと思うぐらいには入れたらしい。怖過ぎる。


「そういえばお前、この間見た事ねぇ男と歩いてたよな」

「待って」

「ああ、安心しろ。なまえには何もしねぇよ」

「また私のお友達になにかしたのか!」

「要らねぇモノは処分しなきゃなぁ」

「日々の生活を送る上で友人は大事な存在なんですがっ!」


歯を見せて笑うランサーはそれはもう兄貴って感じなんだけど、その裏にある真っ黒な部分が見えるから素直にカッコイイといえない。私の数少ない友人がこの様に減ることは何度もあった。というかランサーいつもどこから見てるの怖いんですけど!


「アーチャー、ランサー。やめて下さい。なまえが怖がっています」

「そういうセイバーも恐怖の対象なんだよ!」

「私はあなたの食事に手をつけていませんし、友人を迫害もしていませんよ」

「失くしたはずのパスケースを持ってたり、毎日来る手紙に心当たりは?」

「読んでくれているのですね!」

「怖いって言ってんの!」


キラキラと輝くような笑顔を見せられても私は騙されない。時に真っ白な紙の真ん中に「愛しています」の一言だけだったり、紙の色が分からなくなるまで愛の言葉が綴られてたり。一番驚いたのは失くしたはずのパスケースがセイバーの手元にあった事だよ。何で当たり前のように持ってるし使ってるの。


「邪魔しないでくれないかセイバー、ランサー」

「そりゃこっちの台詞だ。テメェ等自分のマスターの世話でもしてろ」

「貴方こそ愉悦神父と面倒くさい金ピカの世話をしていなさい」

「とりあえず三人ともお帰りください」


三人揃えば意見の食い違いが多すぎて私にはまとめられない。誰か各個人のマスターをお呼びください。


□二周年記念



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