■ ニーハイと三騎士

「ヘーイ、アーチャー!いいニーハイの日だよ!」

「……随分と寒そうな格好をしているな」

「正直めっちゃ寒いっ」

「女子が足を冷やしてはいけないと前に言っただろう」

「ごめんねママン」

「誰がママンだ」

「でもイベントは大事だと思うんだ。だからこう普段履かないミニ丈のスカートを凛に借りて、ニーハイを桜に借りてきたんだよ」

「似合っているが、震えてまでやることではないと思うが」

「凛ってなんでこんなに短いスカート履いてんだろ…。オシャレは我慢っていうけど下着見えるよコレ」

「ん゙ん゙っ!?コラッ、スカートを捲るな!馬鹿!」

「アーチャーに素で馬鹿って言われたの初めてな気がする…」

「女の子だろう!慎みを持て!そんな事をしているからランサーにチョロイ奴だと思われるんだ」

「私チョロイ奴だと思われてたのか。許すまじランサー」

「なまえ。私とセイバーに見せたらもう着替えたまえ。正直その、それはダメだ」

「ダメとは?」

「いや、だからダメだ。ランサーは従順そうな犬に見えて猛犬だぞ。いつ噛み付くかわからん」

「…つまり?」

「正直物凄く興奮する」

「アーチャーが壊れた!」



「やっほいランサー!この私をチョロイ奴だと思っていたんだってな!」

「おう。待ってたぞ」

「ぐぬぬ。何という余裕感…。ていうか何でしゃがんで…、足を触るな馬鹿たれ!」

「エロ担当の俺を舐めんなよ。んな格好されたら触る以外なんの要素もねぇだろ馬鹿か」

「オシャレだよ馬鹿!寒さを耐えて頑張ってスカートにニーハイ履いてんだよ!」

「あー、やっべ。ニーハイとスカートの間の太腿ヤベェな。エロい」

「話聞いて!もー、はーなーせーよー!」

「ったく色気ねぇ声出すなって。萎える」

「全力で萎えさせてやる」

「まあそれは置いといて」

「置いとかないよ。処分する話だよ」

「なまえをチョロイ奴だなんて言ったことも思った事もねぇよ」

「だってアーチャーが…」

「野郎の話を鵜呑みにすんなっての」

「だってアーチャーが私に嘘つくわけないし」

「俺が本気に相手してんだぞ?いい女に決まってんだろ」

「……ん、ぐ、」

「あ?」

「ごめんなさい」

「おう、分かればいい。ほら、足出せ」

「それとこれとは話が違う!」

「暴れんなっての。あー、ほんと…、ぶち犯してぇ」

「!?」



「セイバー!ヘルプミー!セイバー!」

「なまえ!」

「んぶ、セイバーが逞し過ぎて惚れる」

「惚れてください。アナタの剣になりましょう」

「士郎の剣だよね?」

「士郎兼なまえの剣です」

「士郎の剣がご乱心」

「ところでその格好は…?いえ、似合っています。大変可愛らしいです」

「親指立てて言われた。むへへ、可愛いか。今日初めて言われたなぁ」

「凛のスカートに桜のニーハイでしょうか。普段なまえがその様な格好をしないから、新鮮ですね」

「ギャップって奴だ!」

「はい。ギャップ萌えというやつですね」

「セイバーは一体どこで覚えてくるんだそんな情報…」

「寒くはないですか?家に帰って炬燵にでも」

「セイバーが男だったら目と目が合うだけで恋に落ちてたよ」

「今の私では不満だと?」

「大満足。男女関係なく恋人になれるよ」

「ではなんの問題もありませんね」

「んん?」

「なまえ、私と」



「言わせねぇよ!?」

「仲良きことは美しいが、その空気は頂けないな!」

「チィッ!邪魔をするのですかアーチャー、ランサー!」

「え、あれ、何?」

「なまえも雰囲気に呑まれすぎなんだよ!」

「危機感を持たないか馬鹿者!」

「なまえのギャップに萌えてハメを外していた二人に言われる事ではありませんね!」

「目の前で好意を抱いた女性がスカートを捲って興奮しない男がいると思うのかね!?」

「アーチャー!?」

「普段見ねぇ生っ白い太腿見て犯してぇと思わねぇ男がいると思うのかよ!?」

「ランサー!?」

「いいえ、いません!ですがなまえは私のものです!」


2016/11/28
「凛、桜。スカートとニーハイは何故か争いを生んだから私には必要ないものだったよ」
「そうかしら。可愛いじゃない。ね?桜」
「はい!なまえさん、その格好で一緒に買い物行きましょう」