■ クリスマスと六つ子

※おそ松とクリスマス

「ハロー、おそ松!Merry Christmas!」

「殺すぞ」

「挨拶しただけなのに!」

「何がクリスマスだよ。聖人を祝う日だろうが。何で恋人同士がイチャつく日になってんのか訳わかんねぇ。だいたい、日本で発祥した行事でもないくせに、意味わかんねぇよなぁー!?」

「…わあ、凄い八つ当たり。でも小さい頃は楽しそうにしてたじゃん」

「今と昔じゃあ考え方が違うんだよ!いいなぁ!俺だって可愛い彼女とイルミネーション見て騒いだり、レストランとかで御馳走食べたり、夜には良い雰囲気になって聖夜を性夜で過ごしてぇなぁ!」

「やめて!大声でそういう事言うのやめて!落ち着いて!」

「うるせ…あれ、てかなまえ一人?何してんの?」

「私は夜から友達とクリスマスパーティーするから今の時間暇なんだよ。なので、クリスマスプレゼントを持ってきました」

「……俺やっぱりなまえと付き合いたい」

「はは、冗談はいいから。はい、おそ松の分ね」

「マフラー?」

「そう、マフラー。おそ松に似合うやつ探してたんだぁ、うん、似合ってるよ!」

「…やっぱり今から俺と付き合って楽しいクリスマスにしませんか」

「せめてバイトとかしてくれてたら考えてたかもねぇ」



※カラ松とクリスマス

「やっぱりここだ。Merry Christmas,カラ松」

「フッ、やっと来たのかなまえ。俺とクリスマスを過ごす準備はできたのか?」

「夜は別の用事があるからごめんなさい」

「……やはり俺は静寂と孤独に愛されているんだな。だが今夜ばかりはその愛情も考えなければいけな」

「つまり?」

「よ、用事とかじゃなくて…お、俺と一緒にデートとかどうですかっ?」

「ごめんなさい」

「……グスッ」

「泣かないでカラ松。その代わりといっちゃなんだけど、プレゼントはあるから」

「え、わ、ほ、本当か!」

「…素のカラ松だったらモテると思うけどなぁ。はい、これ」

「こ、これはっ!」

「革の黒の手袋。カラ松はよく革ジャン着てるし、似合うかなぁって」

「回りだしたぜ!俺達の恋の歯車が!」

「ごめんなさい」



※チョロ松とクリスマス

「チョロ松見っけ!Merry Christmas!」

「え、何それ。僕への当てつけ?」

「待って待って違う違う!怒ったチョロ松怖い!」

「で、なに?これからにゃーちゃんのクリスマスライブあるんだけど」

「歪みないなぁ。うん、じゃあ手早く終わらせようかな。はい、これ」

「……」

「あれ、気に入らなかった?ちょっと大きいからかさばるしなぁ」

「リュックだ」

「?うん。チョロ松のリュック、ちょっとボロボロになってきてるから、新しいのどうかなーって」

「……なまえ」

「うん?」

「…ありがとう」

「どういたしまして」

「ライブ終わった後でスタバァ行かない?」

「何時頃かな?」

「たぶん夜になると思うけど…」

「夜は別の用事があるのでごめんなさい」



※一松とクリスマス

「ボンジュール、一松!Merry Christmas!」

「……え、何の用?」

「何の用って、一松に会いに?」

「…そ。で、なに?」

「もうちょっと関心を示して欲しいんだけど。一松は何してたの?」

「猫と遊んでる」

「うん、言うと思った」

「なまえは何してんの?」

「夜のクリスマスパーティーまで暇だからプレゼントを配り歩いてる」

「ふーん。俺は除け者にされてるのに、なまえは楽しくパーティーね」

「あれ、言い方に棘があるよ?」

「楽しんで来て、ゴミは動きませんから」

「……プレゼントいる?」

「それは貰う」

「うん。じゃあ、はい」

「…何これバスタオル?」

「ブランケット!で、こっちが猫用のブランケット。温まる物が欲しいかなぁって」

「…………ふーん、そう。ちゃんと考えてくれたんだね」

「当たり前でしょ」

「………………好き」

「んんん?」



※十四松とクリスマス

「十四松発見!Merry Christmas!」

「おおおおっ!なまえちゃん!今暇!?野球しよ!」

「相変わらず元気爆発してるね。野球はしないよ」

「元気爆発!ば、くはつ?爆発はしてねーっすよ!」

「うん。まあ日本語が可笑しいとは思うけどね。いっつも元気いっぱいだねって感じに捉えてもらっていいよ」

「うん!俺超元気!特技はめちゃくちゃ脚が速い!」

「知ってる。ところで十四松はクリスマスの予定は?」

「えーっと、えーっと、兄さん達とトド松と家でゾンビごっこするよ!」

「……た、のしそうだね」

「全然!女の子いねーもん!男だけだから楽しくねーっすよ!あ、そーだなまえちゃん来る!?来ちゃう!?」

「夜はクリスマスパーティーがあるので行きません」

「えー!!俺は?俺は!?俺は誘わねーの!?」

「だって十四松は家族団欒でしょ?わがまま言わずに、はい、これ」

「おおおおおっ!?これ知ってる!トド松から聞いたことある!イヤーマッシュ?イヤーマッシュだっけ!?」

「イヤーマフラーね。十四松は手袋にしようか迷ったんだけど、すぐに破いちゃいそうだし」

「ありがと!なまえちゃん!家宝にすっぺー!」

「……ちゃんと使ってね?」



※トド松とクリスマス

「ニーハオ、トド松!Merry Christmas!」

「メリクリ、なまえちゃん。早速だけどデートしよ?」

「え、あれ?いつもの女の子とデートじゃないの?」

「ああ、アレね…。彼氏とデートだって。ほんと、もう滅べリア充」

「荒んでる…、トド松が荒んでる……」

「なまえちゃんは他の男とデートなんて言わないでしょ?ね、明日の朝まで遊ぼ?」

「あー、夜は先約があるからごめんなさい」

「え、先約ってなに?男?男だったらちょっと僕黙ってられないんだけど。兄さん達にも協力仰ぐよ?」

「待って。男の人じゃないから。普通に友達とクリスマスパーティーだよ」

「友達ってなに、男?それは男も女もいる合コン的な?許さないからね?」

「な、何でトド松に許されないといけないの。お父さんか」

「気分的には彼氏だけど」

「あっふ。気分で私の彼氏になるな!」

「じゃあ本気だったら彼氏になってもいいの?」

「調子に乗らないでニート」

「あー、痛いとこを突いてくるなぁ」

「トド松はどうせ帰って家族団欒でゾンビごっこでしょ!はい、これ!」

「え、待ってゾンビごっことか聞いてない。……あ、帽子」

「そう。ニット帽なんだけどね。白と黒迷っちゃったからどっちもプレゼント」

「…嬉しい。ありがとうなまえちゃん」

「どういたしまして」

「夜までデートしてくれたらもっと嬉しいかなー?」

「……んー、それならいいかもしれない」

「え、ホント!?」

「うん。夜まででしょ?なら大丈夫だけど」

「やった!じゃあ行こ行こ!なまえちゃんと行きたい場所いっぱいあったんだぁ!」

「私を誘っても良い事ないと思うけどなぁ……?」


2015/12/25
「あるぇー?お兄ちゃんを差し置いて何してんのかなぁ、トッティー?」
「だいぶん目に余る行動だなぁ、トッティー?」
「情報はこっちにも入ってくるんだぞ、トッティー?」
「……殺すぞトッティー」
「独り占めは無視できねーっすよ、トッティー!」
「待って待って待って!弁解させて!」