■ ハロウィンと万事屋

「おはようネ、なまえ!トリックオアトリート!」

「おはよう神楽ちゃん。朝から元気だね。Happy Halloween」

「ふおおおお!酢昆布とかぼちゃプリンアルナ!」

「うん、酢昆布はハロウィンと関係ないんだけど。神楽ちゃん好きでしょ?」

「なまえ好きヨ!ちゅうしてやるネ!」

「ん、ありがとう。神楽ちゃん、Trick or Treat」

「うん!これ、あげる」

「おお、すごい。飴がネックレスみたいになってる」

「昨日頑張って作ったヨ。なまえの分だけ特別に酢昆布も付いてるアル!」

「いいの?神楽ちゃんの好物なのに」

「なまえは特別ネ!」

「ふふ、嬉しいなぁ」

「それになまえからも酢昆布三箱貰ったアル」

「神楽ちゃんは特別」

「……むふふ、特別って嬉しい言葉アルナ!」

「そうだねぇ」

「姉御たちにも言ってくるアル!」

「うん。いってらっしゃい」



「新八くーん、おはよう」

「おはようございます、なまえさん」

「早速だけど、Trick or Treat」

「うわ、凄い発音良いですね!?」

「ふふ、ありがとう。前世は外国人だったのかもしれない」

「一言だけで凄い自信だこの人」

「まあまあ、ほらお菓子か悪戯だよ!」

「えっと、じゃあ買ったもので悪いんですけど…」

「わぁ、飴の詰め合わせだ!」

「すみません。作る時間はなかったんです」

「いやいや!男の子が料理するだけでも凄いのに、お菓子まで作ってたらすごいよ!」

「へへ、そうですかね?あ、じゃあ僕もトリックオアトリート」

「はーい、Happy Halloween」

「うわ、凄いこれ!かぼちゃプリンですね?」

「うん。頑張ってみた」

「表面がコウモリの形になってる。可愛いですね」

「カボチャの顔は神楽ちゃんの方にしたんだ」

「ありがとうございますなまえさん!」

「いえいえ、あ、そうだ。これお妙ちゃんにも渡しといてくれるかな?」

「あ、姉上の分まで…!ありがとうございます!」

「ふふ、気にしないで」



「なまえ、とりっくおあとりーと」

「わぁ、すっごい日本語」

「うるせぇ。菓子を配り回って糖分を搾取するこの俺にとっての最高のイベントに、菓子を用意してねぇなんて事はねぇよなぁ?」

「まあ、たかられるとは思ってたよ。はい、Happy Halloween」

「お?何これ。箱?」

「パンプキンケーキだよ」

「ほーう?ちなみに甘さは?」

「銀さんのお好み通りになってると思うけど」

「さっすがなまえ!愛してるぅ!」

「はいはい。じゃあ私も、Trick or Treat」

「悪ぃ俺日本人だから外国の言葉知らねェ」

「…まあ想像ついてた。はい、これ」

「何このちっせぇ箱?悪戯は?」

「流石に給料3ヶ月では買えなかったから5ヶ月かかったんだけど…」

「………………え?」

「銀さん、結婚しよう」

「!?」

「大丈夫。幸せにするよ」

「いや男女逆転してんだろうが!可笑しい!その台詞はいつか俺が言う言葉だった!」

「開けて指にはめてくれる?」

「チクショウ!俺が色々と考えてたプランはぶち壊し?こんな、こんな日に……って、何これ?糸?」

「…って言う悪戯なんだけど。お気に召した?」

「…………今までの全部忘れてください」


2015/10/31
「焦れったいネ…。銀ちゃんはヘタレアルカ」
「この現状を見る限りヘタレだよ」
「うっせェぞガキ共!大人には色々あるんだよ!」