■ 年明けと三騎士
「あけましておめでとうアーチャー!」
「…流石に慣れたぞ。あけましておめでとう、なまえ」
「やったねアーチャー!新年初抱っこはアーチャーでバッチリ決まったよ!」
「これを他の二人にもやろうとしていたのか君は、まったく…」
「んっふふー、新年一発目はセイバーの顔を見に行こうと思ったんだけど、多分士郎とおせち食べてるだろうしと思って」
「…ほう?私はなまえにとって二の次なんだな?君のために雑煮やおせちを作っていたというのに」
「二の次なんて誰が言ったの。私アーチャーの顔は一番に見たいと思ってたよ」
「涎が垂れていなければ満点の口説き方なんだがな。まったく、じっとしたまえ」
「むぅ…、ん、へへへ、栗金団が好きなんだけどある?」
「味覚は子供だな。ちゃんと丼一つに用意しているさ」
「私の好物を知ってるって、アーチャーやっぱり預言者か何か?アーチャーじゃなくてエスパーとかにクラス変更した方が良くない?」
「例えそんなクラスがあったとしてもなまえの事以外に分からないから意味は無いな」
「そっかぁ、なんかストーカーみたいなこと言われた気がするけど気の所為?」
「この栗金団はセイバーにでもくれてやるか」
「アーチャー!?嘘っ、嘘だよ!?アーチャー好きだよ!?私がアーチャーのストーカーです!?」
「何を言ってるんだ君は…。こんな可愛いストーカーがいたら囲ってしまうしかないだろう」
「ストーカーを囲うって凄いサイコパス感があるよね」
「なんでさ」
「だーれだ!私だァ!!」
「おおう、今年もぶっ飛ばしてんなぁなまえ。結婚するか」
「ランサーもぶっ飛ばしてんね!しない!」
「おう、今年も言っていくからたまにはいい返事聞かせてくれや」
「なんか言い回しがどんどん不穏になってきてない?大丈夫?」
「お前急に正気に戻るよな」
「そんな事よりランサー、年が明けたよ!おせちとか食べる?」
「手作り?」
「簡単なものしか作れないかなぁ」
「分かった。夜は行ってやるから待ってろ」
「残念ながら夜は士郎の家でどんちゃん騒ぎなんだよなぁ」
「酒盛りなら俺も参戦してぇな。どうせ言峰に雑用押し付けられるだけになるからよぉ…」
「サーヴァントの扱い方がどんどんと可笑しくなってないかなあの人」
「ンな事より初詣行かねぇか?」
「切り替え早くない?あれ?そう言えば屋台のバイトしてないんだね?」
「おう。なまえと初詣ってやつに行きてぇから断ったんだよ」
「そんなこと言われたら断れない…」
「っし、決まりだ。じゃあ行くか。金はあるから好きなもんあったら言えよ」
「何だこのスパダリ」
「結婚するか?」
「しない!」
「先は長いねぇ」
「あけましておめでとうセイバー!今年も大好き!」
「ええ、あけましておめでとうございますなまえ。今年も可愛いですね」
「へへ、セイバーほっぺにご飯粒ついてる可愛い」
「ぁ、いや、その、これは先程までおせちというものを食べていて!」
「んっふふー、士郎のおせちは美味しかった?私はアーチャーにご馳走になったよ!初詣はランサーと行った!」
「…なるほど、先を越されているわけですね」
「セイバーの邪魔したくなかったけど、顔見たかったから会いに来ちゃったんだぁ。ごめんね?」
「くっ、相変わらず考えてやってるのかと疑ってしまう可愛さ…。これが天然なのだから恐ろしい」
「顔見たら満足できるかなぁって思ったけど無理そう。一緒に初物バーゲン行こう!デートだ!」
「ええもうどこへでも行きます連れていきます何でもします」
「何でもは言い過ぎだよぉ。へへ、セイバーはやっぱり騎士様だ」
「なまえの騎士にならいつでも」
「でも今日は凛や桜に手伝ってもらって着物を着てもらう予定だからね!可愛いセイバーも見たい!」
「ええ。お参りももう一度行きましょう。なまえも着物を着て楽しみましょうか」
「うん!ねぇ、セイバー。二人で行きたいなぁって言ったら怒る?」
「はーーーっっっ!!!好きっ!!!」
「セイバーが最後に壊れたな」
「盛大な壊れ方したな」
「あまりの可愛さに思わず全力で言ってしまいました…」
「まあ分かるが…、あそこまでキャラがブレる事は無いだろう」
「月の裏で派手なジャケット着た野郎が言う事じゃねぇな」
「なんにせよ二人でお参りが行けたので私のお正月は満足です」
「まあ、こちらも振舞った料理が気に入っていたようだから良しとしよう」
「あー、とりあえず良い返事がもらえるよう今年も頑張ろうかね」
「全力で邪魔します」
2019/01/02