■ 08/02と三騎士

「おまたせアーチャー!」

「随分と顔を見ていなかった気がするな」

「いやん、めためたぁ!」

「なまえのテンションがいつも通りで安心したよ」

「ふふふー!…褒められた?」

「ああ、褒めている。それで、今日はどうしたんだ?」

「ガングロのパンティーおくれ」

「悪霊退散っ!」

「バファリンッ!!」

「ハッ、大丈夫かなまえ。並々ならぬ変態性を感じてしまってつい…」

「いや、うん、ごめん。今のは完璧に私が悪かった。思ったより優しいビンタだったから大丈夫」

「流石に私も許容できなかった…」

「そんな思いつめた顔しなくても…、確実に私にしか非が無いよ」

「…クッ、ランサーなら「等価交換だ」と言いながらなまえの下着を要求するだろうに、私ときたらっ…!」

「待って待って。アーチャー暑さで頭やられちゃってる」

「……やり直しを要求しても?」

「ウェイター!彼に冷たいドリンクを!」

「今ここにいるのは私と君だけだなまえ」

「ツッコミを忘れないアーチャーが好きだよ」

「私も好きだ」

「ふふーん!知ってるよー!」

「君の知ってるモノとは種類が違うがな」

「なんて?」

「気にしないでくれ。それよりなまえ」

「うんん?」

「さっきから指を上下に振っているのには意味があるのかね?」

「ちょっと試してみたいことがあって」

「なるほど、嫌な予感しかしないな」

「青い猫型ロボットの映画で『ちんからほい』みたいなことを言ったらパンツが貰えると聞いて」

「どこからそんな間違った情報を仕入れているんだ。やめたまえ」

「ううーん。じゃあどうやったらアーチャーのパンツを取れるんだ」

「正々堂々と来ればいいだろう」

「え」

「ほら」

「いや、あの」

「さっきまでの威勢の良さはどこへいったんだ」

「ウェイター!彼に冷たいドリンクを!」



「お待ちかねの時間だよランサー!」

「よう、長い間放置された分は返してもらうぞなまえ」

「何故そんなに強迫性のある言葉を選べるのかな」

「人生経験の差ってやつか?」

「解した」

「んじゃ、タイトルで理解してるけど用件を聞こうか?」

「ランサーもメタ発言?放置してたのは謝るから拗ねないでよ」

「うるせぇ、さっさと言えよ」

「…何だろう。言ってはいかんと朱槍を持ったロングヘアの美女に言われてる気がする」

「なまえのパンツくれ」

「ランサーが言った!?」

「師匠が邪魔するなら強行突破しかねぇだろうが。ほら、寄越せ」

「ランサーのパンツが欲しかっただけなんだけどなぁ!」

「おーおー、幾らでもやるからなまえもその分寄越せよ」

「想像してた反応と違う!」

「読者の想像通りだよ」

「メタ発言はやめて頂こうか!」

「お前どうせこっからセイバーのパンツ貰いに行くんだろうが」

「私口に出してた?」

「なまえの考えてる事なんざ手に取るように分かるっての」

「熟年夫婦みたいだ」

「なるか?」

「ちょっとときめいたけど断る!」

「チッ」

「ランサーの舌打ちは怖いからやめて欲しい…」

「加虐心を煽ってんの、気付かないのかねぇ」

「そんなに欲しいものかな?」

「まあ下着と言わずなまえごと貰えりゃ何でもいいんだけどよ」

「そーいうの間に合ってます!」



「おひさー!セイバー!」

「会いたかったですなまえ」

「うぐふぅ。いつも通りの直球ありがとうございます」

「なまえ、知っていますか?今日はパンツの日です。どうしましょうか?」

「セイバーの口からパンツって単語が出た事に驚いてそれどころじゃない」

「驚いた顔も可愛らしいですよ」

「ん、ぐ、セイバーさらっとそういう事言うから本当に心臓もたない」

「飽きさせませんよ」

「安牌ってやつかな!」

「麻雀はちょっと分からないです」

「麻雀ってことは分かるんだね…」

「そんなことよりパンツの日ですよなまえ」

「話を逸らしたつもりだったんだけどな!」

「あの二人には下着を要求して、私には何も要求しないんですか?」

「メタ、いやそれより要求待ち…だと!?」

「勝負下着です」

「勝負下着!?」

「なまえとの仲を深める為に必要だと判断したまでです」

「何に力を入れてるのかなセイバー!」

「見てからのお楽しみということで」

「え、あの、セイバー?」

「さあ、邪魔する者はいません。なまえのお気の済むままに」

「セイバー!返ってきてセイバー!」

「パンツの日、素晴らしい日ですね!」

「セイバー!?」



「セイバーが酷い」

「セイバーが酷い」

「私は、何を…?」

「なまえのあれ程困惑した顔を見るのは初めてだな」

「あの勢いのままなら泣かしてたな」

「それでもなまえが可愛いことには変わりありません」

「同感だ」

「上に同じ」

「結局下着は取られたんですか?」

「いや」

「残念ながら」

「そうですか。まあ私は女性特権のお風呂というイベントもこの後控えていますし」

「有罪」

「ギルティ」

「ハッ、負け犬の遠吠えですね」


2017/08/02