::ホワイトデーと金弓 ただ廊下を歩いていただけである。目の前を過ぎった銀色のそれは目にも留まらぬ速さで壁に突き刺さり、ピンと張られたそれが漸く鎖であることを知ることが出来た。こここ、殺される!?情けない悲鳴を上げた私の耳に次いで聞こえたのは、高らかな哄笑で。 「見つけたぞ雑種ゥ!我自らが出向いてやったのだ。出迎えの準備をしろ」 「ひぇ、初めて聞くんですが出迎えの準備とは」 「両腕を広げてこちらに来い」 言う通りにしたら物凄く満足そうな顔をしてライオンのぬいぐるみを手渡された。1mはあろうかと言うそれを両腕で抱えていたら、王様は腕を組んでまた笑いだした。 「愛い!!!!!!」 鼓膜潰れるかと思った。 back |