跪いて足をお舐め | ナノ
(赤也くんと)

知らない知らない、こんな感情。感じた事もない、これから先ないと確信してた。

「わかんない。自分がわかんないよ。ねぇ先輩」
「…」

目の前に崩れ落ちる赤。ぶちまけた血がとても鮮明で綺麗で俺には眩しすぎた。

「どうしようもないんだ」
「…」
「俺、まだ餓鬼だからかな」
「赤也が、そう思うならそれでいいんだよ」

鈍い音がして今度こそ先輩が崩れ落ちた。痛そうに歪めた顔が酷く俺を煽る。

「ねぇ先輩、泣けって。助け請えよ」
「いやだ」
「止まんないよ?先輩のこと殺しかねない」
「殺さないよ。赤也は俺を殺さない。」

ああむしゃくしゃする。そのなんでも見透かした顔が1番嫌いで、1番好きな顔。何時までも餓鬼扱いされるのは兄貴肌の先輩の気遣いだろうけど腹ただしいんんだ。だけど俺だけそんな扱いされて嬉しい。だからこそねぇ先輩、俺を見てよ。俺だけって言って。

「殺せる?」
「…無理、だよ。先輩、俺やっぱ駄目だけどさ、」

肩を上下させて必死に酸素を取り込もうとする先輩が酷く滑稽に映った。冷たい目で見下しても尚、光を宿した鋭く、強い視線で見られると俺のこのわけわかんない黒々とした感情を見透かされそうで。だから俺はまた先輩を赤く染めるんだ。

俺と、先輩の好きな色で。

跪いて足をお舐め




赤也は若干厨ニ病
2010/1214/Teu
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