第四話 | ナノ
翌日、学食でラーメンを食ってたら仁王が水を持って傍に来た。
左手を包帯で巻いている。
…どうやら指だけじゃなく、手全体をやったらしい。

「これには流石に参ったのぅ…。
最近の俺はツイとらん。全く、どうしたもんか…」
「…バイトどうすんだよ。休むのか?」

特に何の感情も入れず、それだけ淡々と語り、ズルズルと麺をすする。
それを仁王はじっと見てる。

「休まんよ。金ピンチじゃし。
…それ旨そうじゃの」
「…喰う?」
「うん。食べさせて」
「…」

正直、引いた。

「利き手が死んだんで使えんのじゃ」
「…はぁ」

仕方なく俺は箸で麺を持ち上げて、仁王の口に運んでやった。

「あっつ…ちゃんと口に入れんしゃい」
「てめー食べさせてもらってる分際でっ…」

あれ、何か注目されてねぇか…?
そんな疑問が頭をよぎり、周りを見渡すと、数人の女子がこっちを見てクスクスと笑ってる。

「っもうやらない!!お前、あっちで肉まんとかパンとか片手で食える奴買って喰え!!」

急に恥ずかしさが込み上げてきて、俺は箸をおろした。

「つれんのぅ…まぁ、喰わしてくれてありがとな。旨かった」

右腕で口についた汁を拭いながら仁王は微笑んだ。
…?
何だろう、心臓が跳ねた。
脈が速い気がする。
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