「丸井くん!」
「あージロくん!どうした?」

あああ煩い煩い。はるばる氷帝からやってきたあいつの声も、丸井先輩があいつを呼ぶ声も全部が俺を苛立たせる。俺と丸井先輩は付き合ってなんかいないけど、好きなんだからしょうがない。もともと、丸井先輩を好きになったのだって俺の方が早いのに!!なんて言ったら「恋に時間は関係ないC」だって。超腹立つ。見た目のほほんとしてぜってー(知識レベルが)俺とイコールだって思ってた奴になんか大人っぽいこと言われた悔しさとか、「丸井くんは俺を好きになったの。もう終わりでしょ」とか勝った顔して言われたのが腸煮え繰り返る程頭にきた。(日本語あってるかな?)
俺はずっとこの思いに諦めがつかないまま過ごして今に至る。いつだか忘れたけど、あいつに「丸井先輩返してくださいよ」って言ったら「欲しいんなら本気で奪い取りに来なよ」って笑顔で返されたことがあった。
無害な顔してるけど、芥川慈郎という男は邪気の塊。丸井先輩の前では猫被ってるし、先輩自体鈍い(そんなとこも可愛いけど)から絶対気付いてなんかない。

だったらアンタの化けの皮、今から剥がしに行ってやるよ。

「欲しいものは手に入れなくちゃ気が済まない性分でして」
「ふーん?」
「絶対奪い取ってやる」
「まあ頑張って。無理だと思うけど」

ニヒルな笑みを浮かべた羊に泣きを見せてやる。


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