昨日、沢山のプリントを抱えて階段を登っていた白石部長が足を滑らせたのが見えて、見事ナイスタイミングでキャッチした時の部長の顔が頭から離れない。
「ありがとう」と柔らかく微笑んで腕から降り、散らばったプリントをかき集めていた部長。俺は凍り漬けされたように動けなかった。そう、部長の微笑みに固まってしまった。可愛い、綺麗だ、と。

「えぇー…」

家に帰って色んな参考書と辞書を片っ端から開いた。参考書に関してはてんで役に立たなかったが、頭から抜けない部長のあの顔と胸の鼓動をプラスして吊橋効果というやつを引いて、イコールで結んだら恋だった。ん、恋?俺が、あの白石部長に恋?ラブってことか?ホワイ?あ、でもあれやろ、ラブ&ピースとか言うやんか。世界中の子供達を愛そうってあれ、恋愛感情じゃないけんな。そうだ俺の白石部長に対する気持ちは多分ラブ&ピースのラブ。きっとそうだ。だって恋って変と漢字似てるし。

「…あほくさ」

持っていたペンを投げ出してベッドに倒れ込む。ケータイを開いてみたら部長からメールが来ていた。「今日はありがとう。助かった」簡潔な内容だったけどなんかすごく照れ臭くなって「別に大したことじゃないっすわ。また明日朝練で」とだけ返した。そういや部長、身長の割に軽かったな。健康オタクとかきいたけど筋肉質ってわけじゃないらしい。…って俺は何を考えとんじゃハゲこれじゃあ謙也さんと同類やんか。たまたま付けてたテレビから流れる一昔前の恋愛歌。あの日あの時あの場所で君に会えなかったら、はぁ?できれば会いたくなかったわアホ。











多分続きます。



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