自由設定/サスケ視点 with you 俺は今、ナルトにある問いをかけた。だけど、当のナルトは別に驚く風でもなくただきょとんとしていた。いや、こちらとて驚かれても困るのだが。こいつのいつもの調子だと、うえ?とか変な声を発するんじゃないかとも思っていたが、そんな心配はいらなかったみたいだ。 「…んー、わかんねぇけど…何で?」 首を傾げて逆に問うナルトに、俺もよくわけが分からなくなった。 「……なんとなく」 「ハァ?」 そう答えると、眉を下げて間抜けな声を出した。 『俺たち、これから二人でやってけると思うか?』 ふと、そう切り出してみた。全然こいつを手放す気はないけれど、永遠というものは存在するのか… ナルトを疑っているわけではないけれど。ずっと想い合っていけるかなんて、見当もつかないから。 「あ、おまえ…もしかして女?」 ナルトは俺を不信そうに見てこう言うと、俺はちょっとムカついた。そんな風に思われてんのか、俺。 「だと思うか?昨日あれだけ激しく」 「わーわ!言わなくていーから!」 お返しだと言わんばかりに意地悪を言おうとした口を、真っ赤に染め上げていた目の前の手で塞がれる。なんだ、わかりゃいーんだよ。 「…女じゃないならいーんだけど…んー…」 ナルトは首をひねって考える。すると間もなく返事が返ってきた。 「一緒に、いたいって思ってるけど…どーかな…俺が最後振られんじゃねぇかな」 ナルトはちょっと苦笑いしてサスケの口を解放した。が、一方でサスケの眉間に皺が刻まれている。 「…何で」 「サスケ…モテるし、いつの間にか彼女出来ちゃうんじゃねぇかって思って」 さっきああ言ったのも、心配してたんだとナルトは言う。 「俺も嫉妬ぐらい、するし」 ナルトは俯いてぼそぼそと呟いた。 「でも、女が出来たときは…報告すんなよ?知らなきゃ、悲しくなんてねぇから」 そう言ってナルトは俺の髪を優しく梳く。その腕を、俺は思わず掴んだ。 「!」 「ほんと、俺信用ねーのな」 俺はびっくりしているナルトに苦笑いを返すと、するわけねーだろ、の意味を込めて額にキスをした。 「俺はお前の為に…尽くそうと思ってる。向き合ってるつもりだ」 そう。俺は向き合ってるつもりだと思うんだ。今まで、何もかも適当にあしらっていたけど。 「…せっかくお前の気持ちも聞けたし」 こいつはそうしてもどうにもならないし。いや、まずどうでもよくねぇし。大事にしたいんだ。 真剣な眼差しでナルトを見ると、ナルトはおずおずと俺を見る。 「俺たちが好き合ってればいいよな」 喧嘩もするだろうけど。 そりゃ意地張るけど、謝るし。家事だって分担してやるし、困ったことがあれば、助けてやりたいし。愚痴だって何だって聞いてやりたいし。 …お前が大事な気持ちも、変わらないだろうし。 そうしたら、…俺たち。 いつの間にかずっと傍にいる気がするんだ。ナルトにそう告げると、目をウルウルさせながら俺の頬に軽くぺしんと平手打ちをかました。 「ばぁか!ほんとは、心配…したんだからな」 涙を一滴溢しながら訴えるこいつも、俺を想ってくれていることには変わりないようだ。 「…ナルト、」 そう思って微笑むと、好きだ、と言ってまた額にキスをした。 …ああ、もしかしすると俺って。 ナルトの気持ち、確かめる為にこんなこと聞いたのかもしれない。 …ああ、だから。そうか。すげぇ今ニヤけてるだろうな、とそう心の片隅で呟いていた。 (俺はどんな時でも、お前を見てるから) だからずっと、一緒に、 ♪花/束 b/a/c/k n/u/m/b/e/r |