七夕2 | ナノ




「…恭平?」
「ん?」
「なにこれ」
私が指差したのは恭平が担いでいる緑色のもの…いわゆる竹である。
「これ?見ての通り竹」
「だからね、なんで竹担いでいる訳?」
私の言葉に恭平と陽菜がにやにやと笑う。
なるほど、喧嘩売ってるわけね?
私の空気の変化を察したのか陽菜が「今日はなんの日でしょうか?」と言った。
「今日?なんかあった?」
「あぁ、やっぱりかお前」
残念なものを見るような目を向けられた。
その目は無視して今日が何の日かを考える。
7月7日…ソロモン諸島の独立記念日…乾麺デー…ポニーテールの日…
ん?7月7日?
「あ、その顔は気付いたね?」
陽菜がにこにこ笑いながら私の腕にまとわりつく。
暑いから離れてと言いたかったけど凄くいい笑顔だったからやめておいた。
「で?分かったのか?」
「あぁうん。七夕、でしょ」
そう、七夕。
年に一度だけ彦星と織姫が会えるというあれだ。
「せいかーい!!という訳で正解者の涼華にはこれをあげよう」
そう言うと恭平はテーブルに、だんっと水色の細長い紙を叩き付けた。
「…なにこれ」
「ペーパー」
「そういうことを聞いてるんじゃないんだけど」
「可愛い冗談じゃないか」