こんな出会いも(吉川) | ナノ




あるところにそれはそれはドSな王子様がいました。
王子様は性格には難ありでしたが、見た目は良くとても頭が良い(ついでに外面も良い)ため民達には人気でした。
ある時王様は王子様に言いました。
「吉沢さん、そろそろ結婚して下さい」
「なんでお前が父親役なんですか…俺はまだ結婚しません」
「駄目です、これはお願いではありませんから」
王様の言葉に王子様は渋々頷きました。
それからというもの、お城には色々な所から王子様の花嫁になりたいお姫様がやってきました。
しかし、結婚する気などない王子様はお姫様達に難癖をつけては追い返していました。
ある日王子様はお城の外の森に狩りへ行きました。
「秋野、コレで象を仕留めてきなさい」
「ちょ、本気ですか?爪楊枝ですよねコレ。というかここアフリカじゃないですからね?」
「おや、ここに獲物が」
「行ってきます!!!!!!」
従者が森の奥へ走っていったのを見届けた王子様はその辺をふらふら歩き回り出しました。

しばらく歩くと一軒の小さな家がありました。
その家には魔女の姉妹が住んでいて訪れた人を食べてしまう、という恐ろしい噂がありました。
が、そんな事には興味のない王子様はその家に近付くと扉を叩きました。
「どちらさまですか?」
するとその扉から王子様よりだいぶ小さな女の子が出てきました。
「……」
「あの?」
「…お名前を教えてくれませんか」
「え?あ、陽菜です」
「陽菜…私と結婚して下さい」
王子様は女の子に一目惚れしてしまったのです。
「え、えっと?」
「陽菜?どうしたの」
「あなたは?」
「…この子の姉ですが」
「涼ちゃん!なんかこの人に求婚された…」
「は?求婚…?ってこれこの国の王子じゃない」
「えぇ!?」
「…王子が魔女に求婚とはどういう事ですか?」
なんとこの二人は本当に魔女なようです。
「そんな事はどうってことありません」
「何を言って」
「では、陽菜は幸せにしますので」
「わあぁ!?」
「あ!ちょっと待ちなさいドS!!」
王子様は魔女の妹を拉致…もといお城に連れていき結婚式をあげました。
そしてなんだかんだで幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

「めでたい…の?」
「めでたいじゃないですか」




童話風に書きたくなった結果
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