金糸雀
唄を忘れた金糸雀は
後ろの山に棄てましょか
いえいえそれはなりませぬ
笑いを知らぬ人間は
社会の端に棄てましょか
いえいえそれはなりませぬ
唄を忘れた金糸雀は
背戸の子藪に埋けましょか
いえいえそれはなりませぬ
憂いを知らぬ人間は
失語の果てに埋けましょか
いえいえそれはなりませぬ
唄を忘れた金糸雀は
象牙の船に銀の楷
月夜の夜に浮かべれば
忘れた歌を思い出す
社会に合わぬ人間は
うらみつらみと埋けましょう
もしくは炭鉱屋の駕籠の鳥
毒を吸わせて殺しましょう
それなら彼らも笑って死ねる
※童謡「かなりや」より一部引用
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