呼び水

歌をうたいて なく、なく
口ずさむのは 行進の曲
彼女のために駆けてくる 父親を想って
はじめての曲を 彼女は、うたう

歌をうたいて なく、なく
口ずさむのは お別れの曲
彼女を置いて寝たふりしている 母親を見下ろして
聴いたこともない音を 彼女は、うたう

歌をうたいて なく、なく
口ずさむのは お祝いの曲
豪華な食卓に 一つだけ空いた席を眺めて
誰も知らない拍子で 彼女は、うたう

さようなら、パパ
さようなら、ママ
もし今度は 産まれてこれたなら

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