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「なんか最近DVDばっかり見てる気がするの」
「次は何借りてきたん?」
「DWにDVD返しにいったら、エディがもっと楽しいもの見ろって言って」
「エディはんてコイン以外のことも考えとるんやなー」
地味にエディはひどいことを言われているような気がするのはきっと気のせいだと思う。畑の草むしりをするロルフを気まぐれに手伝いながら、DVDの内容を思い出す。
「んーなんかコメディ?いやアクション?いやヒューマン?とりあえずごちゃごちゃな話だったの。一枚のコインから始まるサクセスストーリーなんだけど」
「やっぱりコインなんかい」
「あ、でもヒロインが死んだと思ったらゾンビになって追いかけてくるの」
「えー?それホラーやん」
「でもパイを投げてくるよ」
「 ( ゜д゜ ) …もう意味わからんわ」
「うん、最後にはラスボス的な感じでヒロインがパイ工場の社長になって資本主義社会の批判してた」
「…」
なんとも言えない表情をするロルフ。
わかるよ、説明してる私も意味わかんないもん。
「んー…じゃあ明日もし私が死んじゃったらどうする?」
「 ( ゜д゜ ) が?」
「そう、でゾンビになってパイ投げながら追っかけるの」
「うわ嫌や!てかそこまで真似せんでもいいやん!」
「ふふふっ泣いて逃げるがいいよ!」
「あかーん」
(あれ、この話もっと甘さがでる予定だったのに…)