1
「ねえ、明日もし地球が滅んじゃったらどうしよう」
私の一言に、逃げ出していた鶏をやっと捕まえたらしいロルフがこちらを振り向いた。
「どうしたん ( ゜д゜ ) 。変なもんでも拾って食ったんとちゃうやろな」
「違うよ!昨日エドが面白いよって貸してくれたDVD見ててさあ」
「ああ、なんかすべてを理解したわ」
まったく ( ゜д゜ ) は影響されやすいやっちゃなあ、と苦笑しながらばたばたしている鶏を抑え込む。
「で、ねえ、どうしよう、滅んじゃうとしたら!」
「そうやなあ……」
ううん、と考えこむロルフ。心なしか腕の中の鶏も大人しく、なんだか神妙な顔つきをしている。こうやって、年下の私たちになんだかんだ付き合ってくれるロルフが、私は好きだと思えた。
「むむむ…」
「……」
「ぬぬ…」
「……」
「んー…」
「……」
「んっ」
「おっ」
「わからん!」
たっぷり唸ったあと、きっぱりと言い放つ。ちょっと期待しただけにずっこけるところだったんだけど!
「なんなのよう」
「じゃあ ( ゜д゜ ) はどうするん?」
「えっ!えー…っと」
「でてこおへんやろ?」
「……確かに」
「やろ?」
滅ぶ言うても、まあいつもと大して変わらんのとちゃうの、と言葉と無駄にいい笑顔を残して、ロルフは鶏をつれていった。とりあえず、エドから借りたDVDを見直してみようと思う。
(素敵な文の終わり方を知りたい)