可愛い恋人は

「琥珀。」
「うん?」
あたしの部屋で、ベッドに座り、本を呼んでいると、コロン、とあたしの膝に頭を乗せて
シェフがあたしの名を呼ぶ。
「どうしたの、シェフ。」
「なんでもない。」
シェフがそう言いながら、ちらりとあたしの方を見た。
あたしはシェフの頬を撫で、かかっていた髪を落とす。


可愛い恋人は



琥珀、ともう一度名を呼ぶと
彼女はちらりとこちらに視線を落とす。
構え、と思うが、言わない。
言いたくない、と言うべきか、言えないというべきか。
琥珀は微笑んで、本を閉じ、枕元に本を置いた。
「いいのか?」
「可愛い恋人が構ってほしそうでしたし?」
っふふふ、と嬉しそうに笑って、俺の顔を覗き込むようにしてキスをしてきた。
構ってくれた事、恋人と言われたことは嬉しいが。
「可愛い、は余計だ。」
「はいはい。」
そう言いながらも、彼女は俺の頬を撫でた。
「シェフ。」
「なんだ。」
身体を起こし、彼女を抱きしめる。
「なんでもない。」
やはり、彼女は嬉しそうに笑う。
そのまま、押し倒す様に二人でベッドに寝転んだ。
「可愛いのは、お前だ。」
そう言うと、顔を赤らめて。
「気のせいだと思います。」
「そんなことない。」
ぎゅっと手を握りしめて。
「俺の、可愛い恋人だ。」
「っ・・・・・・。」
今度は俺からキスをして。
「シェフ。」
「なんだ。」
「さっきの言葉、撤回する。」
「・・・・・・?」
どの言葉なのか、と首をかしげれば。
「可愛い恋人、じゃなくて。」
彼女が俺の下から手を伸ばし、首に腕をまわして抱きしめてきて。
真っ赤な顔でこちらを見つめ、
「あたしの、カッコいい恋人が素敵過ぎて、構わずには居られなかったの。」
「・・・・・・そうか。」
俺はまたキスをして、抱きしめて。

我ながら、顔を真っ赤にしたんだろうなぁ、と思うが
負けず劣らず、シェフも顔を赤らめながら、嬉しそうに笑うから
カッコいいけど、素敵だけど、やっぱり、可愛いなぁ、あたしの恋人は、と微笑んだ。

end


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長年の片想いサイトの紅葉様よりキリリクでシェフ夢をいただいてきました!
シェフが可愛格好よすぎて発狂したのは私です←
あああシェフ可愛いよシェフ!!

素敵な小説ありがとうございました!(*^^*)


2013/8/18

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