君の温もりに

息を吐くと、真っ白になっている。
ふと視線をやった窓の外は雪が降っており、
通りで、寒いわけだ、と納得し、手をさすった。
少し冷え、うまく動かない指を必死に温めて。
ああ、寒いなぁ、と白いため息をついた。
クリスマスも、ホワイトクリスマスになり、
ロマンチックな日にもなったが、それよりも、この寒さが一人、身に染みるなぁ、と息を吐いた。


君の温もりに



「・・・・・寒い。」
いきなり入ってきたシェフはそう言うなり、歩み寄ってくる。
「う、うん?寒いねぇ。」
その言葉に頷くと、もう一度、寒い、と呟き、あたしを抱きしめてきた。
あたしの背に置かれた手は確かに冷たい。
服越しでも、じんわりと冷気があたしの肌を刺す。
「ああ、そっか、水仕事してきたんだ?」
そう問いかけると、こくり、と頷かれる。
クリスマスの準備とか、忙しかったんだろうなぁ、と軽く抱きしめ返していると、
寒い、とシェフはまた呟いた。
「このホテルって、確かに暖房器具があるような場所ってあんまりないよねぇ。」
シェフ、と名を呼び、体を離すと、不満そうにシェフがこちらを見た。
あたしはそんなシェフの手を包むように握り締めて
「うわ、こんなに冷たくなって。」
まるで氷のようだ、と思いながら、はぁ、と吐息をかけ、温める。
「・・・・・・・・。」
「これで少しは温まると・・・。」
いいね、と言おうとして、シェフを見上げると、顔を真っ赤にして。
「シェフ・・・・・?」
「なんでもない・・・・。」
いやいや、さっき、抱きついてたやつの反応じゃないでしょ、とか言おうとしたが、
釣られてこっちまで顔が真っ赤になる。
話を変えようと、思い出したように
「あ、それより、お風呂に入ったほうがきっとすぐに温まるよ!」
「・・・・・・。」
シェフは少し首を横に振って、あたしをぎゅっと抱きしめてきて。
「琥珀の体温がいい・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
な、何言ってんの、とか、なんでこんな時にこんなに甘えてくるの!とか、色々と言葉が出てくる。
「クリスマス・・・プレゼント。」
「で、温めてくれって?」
そう問いかけると、頷き、じーとこちらを見つめてくる。
あたしはシェフの手を握り締めて、先程と同じように温めようとすると、
シェフがあたしの手を逆に掴んだ。
ん?と首をかしげ、シェフを見ると、シェフがあたしの指に指輪をはめた。
「・・・・・・・・。」
「クリスマス、プレゼント・・・・。」
琥珀、とあたしの名を呼ぶから、何、と顔を上げるとシェフの顔は赤い。
ああ、でも、きっとあたしも赤い。
「好きだ、琥珀。」
「あ・・・あたしも好きだよ。」
シェフがあたしを抱きしめる。

寒いはずのに、暑さすら感じる熱。

end


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懲りずにクリスマスキリリクでシェフ夢を頂いて来ちゃいましたエヘヘ
カッコ可愛いシェフがなんともたまらんです(*´∀`)
素敵なクリスマスプレゼントありがとうございました*


2013/12/25

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