「フーバーは変な人だね。」
驚いて横を見る。たしか彼女とは今日初めて喋ったはずだ。
「なんで楽しくないのに笑うの?」
ルーナが言うには僕の笑いは嘘臭いらしい。なんて失礼な話だ、と思うけど実際そうなのだから文句は言えない。
「ルーナだって、変だよ。」
馬鹿だし。と付け加えるとルーナはべっとベロを出した。
「フーバーには言われたくない!」
たしか僕は彼女よりは座学の成績が良かったと思うのだけれども。
「パーキンソン....貴様今何の時間か分かっているのか?」
「はいっ、座学の時間でございます!」
びしりっと敬礼をしたがやはりその向きは逆だった。教官の頭にはピクピクと血管が浮かんでいる。
「これで何度目だと思っている....。貴様の心臓は右にあるのかパーキンソン!!」
「ぐっはあ!」
教官の頭突きでルーナは卒倒した。
「だ、大丈夫?大きな声出すから....」
「あ、頭がああ....」
教官が離れたのを見計らってコソっと話しかけるとルーナは頭を抱えていた。物凄くいたそうである。
「く、ふふ」
その姿が妙に面白くて思わず吹き出した。するとルーナはバッと顔をあげて僕を見た。その顔はキラキラと輝いている。
「今、笑ったでしょ!」
「え、あごめん」
フーバーが笑顔だ!とぎゃいぎゃい騒ぐルーナとは今日初めて喋ったと今思い出した。そういえばライナーも面白い奴だって言ってた気がする。対人格闘のときのジャンとの絡みが面白いのだとか。確かに彼女といると不思議と笑えてしまうのだからビックリだ。
「ルーナは元気だね。」
「私はいつもどおぎゃんっ!!」
後ろの席のジャンとエレンがこちらをうるさそうに見ていた。どうやらジャンがルーナの頭を叩いたようだ。たしかエレンとジャンはよく喧嘩しているのに隣同士に座っているあたり仲がいいのか悪いのかよく分からない。
「うるせーんだよ!周りの迷惑考えろ!!」
「だってお母さん、フーバー君が私にちょっかい出してきて....」
「え、僕?」
「それはいかんな、お前俺の娘に手を出すなんて100年早いぞ。」
ルーナの悪乗りにエレンまでのってきてジャンは心底疲れた顔をしている。
「俺はお前みたいな娘ができたらノイローゼになる自信があるね。」
「私だってこんな馬面のお母さん嫌だよ。」
「んだとこのデブ!!」
「はあ?!」
「貴様等よほど開拓地に行きたいらしいな。」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ僕等を見かねて教官がやってくる。ああ、きっと今日の夕御飯はないなとかいったい何時まで走らないといけないだろうかとか色々考えてたらまた笑えてきた。
「あ、フーバーがまた笑った!!」
「パーキンソン!貴様今日の夕食はないと思え!!」
ぎゃー!嘘だァァ!!なんてまたルーナが叫ぶから僕はまた笑った。


◎グリーンネックレス
青春の思い出

20131123





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