「私は、ジャンと一緒に王に命を捧げる憲兵団になるためにここに来ました!」
「バッカ!何言っ....あ、」

本当に馬鹿な人達が集まったと思った。びしりと敬礼をするルーナ・パーキンソンは先程コニーが怒られていたにもかかわらず
敬礼をする腕は逆だった。
「貴様の心臓も右にあるのかルーナ・パーキンソン。」
「いえ!左です!!」


サシャと一緒に走り回るルーナはやけに楽しそうだ。
「ルーナはすごい、ですねっ....。」
「走るの好きなの!」
バカにも取り柄があるものだとマフラーで口を覆う。今日あのふたりは夕飯抜きだそうだ。


「はじめましてアッカーマン!私ルーナだよよろしく!」
「....よろしく。」
走り終わった後だというのに彼女は息一つきらしてはいなかった。どこにそんな体力を隠していたのだろう。決して私の体育会系のような体には見えなかった。
「おいでぶ、なにやってんだ。」
「はぁん?なによ馬面。」
ジャンとルーナが互いにバチバチと火花を散らせる。本当にこのふたりは馬鹿だ。
「あ?やんのうぉっ!ぎぶぎぶ!!」
「私はギブじゃない!!」
ジャンを投げ飛ばすあたり相当腕はたつようだ。ジャンはしきりに床を叩いていた。
「ルーナは痩せてますっていいなさいよおお!!」
「い、わねえ、よおお!!」
「まあまあ二人とも....。」
仲裁するマルコがとても不憫に見えて仕方ない。マルコの仲裁でようやく離れたふたりはぜいぜいと息を荒げていた。
ルーナ・パーキンソン。もしかしたらすごい逸材なのかもしれない。
「そういえばアッカーマン。」
「....なに?」
ふとルーナが私を見て言った。
「私の夕飯ってどこ?」
げらげら笑うジャンにまた掴みかかろうとするルーナを見て、逸材なんかじゃなくただの馬鹿だったと気づいた。やっぱりマルコは不憫だ。


◎タツナミソウ
私の命を捧げます。

20131120





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