リ ハ ビ リ 現パロ
友情寄り


「…エレン、聞いてる?」
返事は出来なかった。土曜日のあさ、ここ最近雨は降らなくなってて青い空が輝いていた。部活も休みでゴロゴロできる休息日。
そんな日に携帯の着信音で目が覚めた。
ミカサの啜り泣く声が耳に残っている。嘘だ嘘だ。そんなの嘘だ。
「なまえが、事故にあったらしい…。」
何言ってるか分からなくなって頭が痛い。なまえが事故?全くピンとこなくて浮かぶのは昨日ただ友達と笑うなまえの姿だけだった。
「なまえは…死ぬの?」
んなわけねえだろ。あいつが死ぬわけない。そう言葉に出したつもりだったのに口から出たのはかひゅっという空気音だけだった。


なまえは死んだ。病院には間に合わなかった。ごめん。あぁ、誰に謝ってんだ俺は。
「月曜日にCD持ってくるね。」
どんなに考えたってニュースの女子高生死亡の文字を見たって浮かぶのは金曜日の彼女の笑顔だけだった。
お通夜に行くとアルミンもミカサもみんな集まっていた。皆泣いてたけど俺は泣けなかった。なまえどこにいるんだ。
「なんで、なまえなんだろう。」
誰かが呟いた。あぁ、なんでなまえなんだろう。世の中にはお前なんかよりうんと嫌な奴ら沢山いるのに、死にたいと思ってる奴らいるのに。なんでお前なんだ。
そう考えると涙が溢れた。なまえの夢はなんだっけ。そうだ、あれになりたいって言ってたな。だからそのための大学に進むんだっけ。小学生の時からずっと一緒だったのに離れるねなんて。馬鹿だよ、家近所だからすぐ会えるに決まってるじゃん。朝玄関出たらなまえがいて「おはよう。」なんて言い合うのが毎日の日課だからこれからも、ってこれからなまえはいないじゃねーか。グルグルグルグル頭の中をなまえが駆け巡った。
なまえは死ぬ寸前に何を見ていたんだろう、何を考えてたんだろう。どんだけ尋ねたってお前は答えてくれないんだな。日課の「おはよう。」もないしCDだってかしてくれない。教室にはポカンと穴が空いて、それは勿論お前の席。2度と埋まることの無い穴。俺の記憶にもポカンと穴が空いて抜け落ちる。

「お前がいないと、生きていけないよ。」
太陽と草のように、羽虫と光のように、生きていく上で掛け替えのない存在。なまえという太陽と俺は草。永遠に続く夜の中で俺はお前の存在を噛み締め続けるよ。


太陽と草
20140721
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