リサが死んだ



突然アイツに告げられて、彼女が運び込まれたという自室に足を踏み入れた
俺は黙ったまま、ベッドに横たわる彼女を見つめ、柄にもなく、所謂"寂しい"という感情であるものに心が押し潰されそうになるのを感じながらその黒い髪を指で掬ってみる


「リサ」


返ってくるはずもないと分かっていながらも彼女の名前を呼ぶ自分は、こんなにも情けないただの男にすぎなかったのだと思い知らされた


「俺は…」


"ボスのために死ねるなら何だって構わない"
そう言ったあの時の彼女の顔を思い出す

あれは、部下としての忠誠心などではないと分かっていた
自分自身の彼女に対する気持ちにも気付いていたのに



「どうして、もっと早く言わなかったんだろうな」



あああ、もう聞こえない君の声が響いたら、
やっと目を覚ますことが出来そうなのです









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