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『よしッ!!やろうか』
ニコニコ笑う沙羅とは打って変わって、喧嘩を売った火神は不満そうにしている。
「バッシュぐらい履けよ」
そう言われて、沙羅は自分の足元を見る。
スリッパである。
でも沙羅は相変わらずの笑顔で言った。
『いいよ、持ってないし』
「でもそれじゃぁ『それに・・・・ハンデあげなくちゃ、ツマラナイでしょう?』
そう言った瞬間、火神の顔が引きつって怒った顔をした。
「上等じゃねぇか・・・・。」
『じゃぁ、ジャンピングボールからやろうか。』
そう言った沙羅の言葉に火神は度肝を抜かれた。
いくら女子では高いと言っても、背は火神より小さいのだ。
ジャンプボールで勝てるわけがない。
けど堂々と自信満々に言う沙羅に火神は焦った。
(まさか、ジャンプ力があるとか・・・。)
そう思いながらもついに試合は始まる寸前である。
焦っている火神の顔をほほ笑みながら見ている沙羅。
そして開始のホイッスルは鳴った。
ヒュンとボールが審判の手から離れて高く上がる。
火神は焦っていた、目の前の女が飛ぶのかどうか。
とてつもないジャンプ力があったとしたら、俺はコイツより早くジャンプしなきゃいけねぇ!!
そう思っていた火神、そして沙羅は体制を変えてジャンプする前の動きを見せた。
今だッ!!
バッと高くジャンプした瞬間、沙羅がニッコリと笑った。
やばっ!!と思った火神、もう遅かった。
火神は沙羅のプレッシャーからいつもより早くジャンプしてしまった。
そしてボールも障ることなく、火神は重力で下がっていく。
それを見ながら、沙羅が高くジャンプした。
「たかッ!!」
誰かがそう言ったのが聞こえた。
ニッと笑った沙羅は腕を振りかぶって。そして・・・・。
『アターーーーーーーークッ!!』
そう、撃った。バレー部並みに・・・。
そしてバスケットボールはバレーボール並みに飛んで行って、そして・・・ゴールに入った。
『はい。終了――――!!』
皆が唖然とするなか、スッキリとした顔で沙羅はコートから離れようとすればグワシと手を掴まれた。
『・・・・・・・なに?』
火神を見て、沙羅は言った。
火神は怒っている様子で美和を睨んだ。
「ふざけんなよテメェ!あれのどこがバスケだよ・・・。もう一回、ちゃんとやれ」
『やったて変わんないよ』
「そんなのやってみなきゃ『だって君、私のフェイントに騙されて明らかにタイミングじゃないときにジャンプしたよね?』
「グっ!!」
『バスケは脊髄でやるもんじゃない、頭と体。どっちも使うスポーツだ。お前は頭を使うのを疎かにするからこういう風になるんだよ。お前のバスケ・・・・』
そう言われて悔しがる火神を見て、沙羅は大きくため息を吐いた。
『あーあ。今日は、違う事やろうと思ったのに・・・まぁ、いいや今日は見る事も練習って事でいいか』
そう言って沙羅はスリッパを脱いで、黒子に言った。
『黒子、お前のバッシュ貸して。サイズ一緒なのお前しかいない。』
「あ、はい。」
黒子は自分のバッシュを脱いで、沙羅に渡した。
美和はバッシュを履きながら、言った。
『じゃぁ、今度はお前の得意なバスケで勝負してやる。』
ガッと足を床にたたきつければ、バッシュと床のこすれる音が響いた。
ニコッと沙羅は笑った。
『さぁ、始めようか。』
<後書き>
以上、バスケを知らない素人が書くとこうなる。
私はバレー部だったので、バスケは授業程度の知識しかないのです・・・。
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