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シャカシャカシャカシャカシャカ

「おっはやっほーーーー!!」

シャカシャカシャカシャカシャカ

「みんなッ!!今日も元気にしてるかなにゃ?」

シャカシャカシャカシャカシャカ

「えっ、僕はって?僕も今日も元気だよー!」

「「「「「「「キャーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」」」」」

シャカシャカシャカシャカシャカ

「沙羅ッ、テレビ見て歯磨きしちゃダメって言ったでしょう?」

『ほーい』

ガラガラガラ…ペッ!!

『・・・・・・・・・・・・朝から濃いな。』

それが私がHAYATOに対して感じた第一印象だった。




「HAYATO」について知っているとクラスの数人の女子に聞けば、それはもう熱狂的な答えが返ってくる。

その熱狂さにちょっと引いたが逆にそれほど愛されるアイドルだと知って驚いた。

彼はデビューしてわずか数年で朝番組で自分が司会のコーナーを持ち、アイドルでありながら珍しい陽気なキャラでお茶の間の叔母様達はもちろん、

学校前の女子たちのハートをすべてキャッチしてしまった。言うなれば「国民的超人気アイドル」と言ってもいいだろう。(情報サイト抜粋)

なんで私が普段見ない朝番組を見、興味もないアイドルの情報を得て私は頭を抱えていた。

会ったこともない人物の歌を作るなんて難しすぎる。

一体どんな曲を作ればいいんだ・・・・。

期間は三週間、その間に彼の曲を考えろと早乙女さんの命令だった。

『どうしよっかな・・・。』

私は学校の音楽室のグランドピアノの前で唸っていた。

ボイスレコーダーは何時でも準備万端だというのに、私の手は鍵盤に触れるだけでそこから一oも動かなかった。

『キャラ的に陽気なんだろうけど…どうも合わないな。』

そう言いながら曲とは全く関係な音をポロン、ポロンと出していく。

『そもそも彼にはあまり陽気なキャラが似合わない気がするな…なんでだろう?テレビではあんなに陽気なのに…なんかな。』

ポロン、ポロン

『・・・・・きっと、あの笑い方が嫌なんだ』

ポツリと自然と出た言葉がそれだった。

今日、初めて朝番組で見たけど違和感ありまくりな笑顔だった気がする。

まぁ、初めてだから気のせいかもしれないけど。

でも私は彼の顔がどうも窮屈そうな顔をしていたのを覚えている。

『・・・・・・そっか。』

確信がまったくない自分の言葉に勝手に納得した私はボイスレコーダーの録音ボタンを押した。

まぁ、本人が必ずしも歌う訳じゃないんだから気楽にやろう。

そう思って私はピアノを人なでし、音を出した。




「すっばらしー!!是非、彼に話を進めておきましょうッ!!」

『え?本気ですか・・・。』

約束の三週間後、私は楽譜を早乙女さんに私てデモテープも聞かせた。

彼が最初に言った言葉がそれで私は目を見開いた。

「もちろんでーす。やはり私の目に狂いはなかった。貴方に任せて正解でーす!!早速作詞家に連絡をして」

そう言った早乙女さんの言葉を聞いて私は声を上げた。

『早乙女さん、作詞家はつけないでその曲の歌は彼に任してはくれませんか?』

私がそう言った瞬間、彼はさっきまでの明るさをなくして真面目な視線をよこした。

まぁ、サングラスで視線は分からなかったけど・・・。

「Oh No!しょうがありませんね・・・Meから言っておきマース。」

『彼に伝えてほしんですけど・・・「自由に歌ってくれていいって」』








それから一か月がたって、聞き覚えのある曲に私がテレビの前で言葉をこぼした。

『いい歌詞…さすがプロ』


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