アリババくんの前世の話
最初に言っておきますが、今やあんなに出来た人間のアリババくんですが・・・前世はそんなんじゃなかったって設定です。
でも本編にそんな話は出ません…。(シリアスは書くのが楽しいが、後々めんどくさいとは言えない)
では思い暗〜〜〜〜い話をどうぞ・・・。
暗い暗い部屋の中から見えたのは空の青さだけだった。
「ヒィッ!!や、やめろ!!やめてくれッ!!」
誰もいない路地裏で男は必死に逃げていた。
もうそこそこいい大人と言っていい年齢なのに、彼は泣きながら逃げていた。
まるで化け物に出会ったかのように・・・。
そしてそんな男の前に現れた人物は男の表情とは対照的に嬉しそうに、ニンマリと綺麗に笑っていた。
『うるさい』
そう一言だけ言って、表情とは全く違う感情を足にやどして思いっきり男に蹴りつけた。
ドスッ!!
ドスッ!!
ドスッ!!
「お“えっ!!」
男が泣こうが吐こうが何をしようが関係なしにソイツは蹴った。
何度も、何度も、何度も。
楽しそうに、嬉しそうに、幸せそうに。
そんな顔をして男を蹴る人物はまだ小さい子供だった。
年はそうだな・・・八歳くらいだろか。
でもその表情は子供特融のものではなく、どこか大人びた表情だった。
そしてついにあまりの激痛で男が叫びながら気絶した瞬間、子供の動きは止まった。
『あーあ。根性ないな…この前はお前が受けた倍の数をお前に蹴られたんだけどな。』
そう言って子供はもう一回、男を蹴った。
その行為には何の感情も同情もなくただそこにあるのを蹴った…そうまるでゴミを蹴ったように男を蹴った。
「・・・・・・・気がすんだか?」
そんな時、子供に話しかける奴が現れた。
子供はその“声”に驚くことはなく、まるでそこに居るのを知っていたように答えた。
『うーん。全然ッ!!九ちゃんは?』
無邪気な笑みを浮かべた子供の言葉に“声”は答えた。
「・・・・・・・俺もお前と同じだ。だいたいお前はなぜこの里をつぶさない?その方がもっと手っ取り早くお前の気もさめるだろう」
そう言った“声”に少年はゆっくりと首を振って、まるで子供に言い聞かせる時の母親のような優しい顔をして答えた。
『だって九ちゃん・・・八年だよ。八年間、俺はずっと閉じ込められてきたんだぜ。見てくれよ…俺の体を16歳だっていうのに俺の体はあの時のなにも変わっちゃいないんだ。』
笑顔で少年は答えていく、その言葉一つ一つに垣間見る憎悪と怨念は“声”が一番好むものだった。
『俺を閉じ込めて、そして壊して行ったんだ・・・俺だって八年かけなきゃ失礼だろ?』
バッと子供は手を広げて、青い空を見上げた。
『こんな里、すぐにでも消し飛ばしてやりたいけどさァ!!』
“声”はその発言にニィッと笑った。
「その時は、俺もお前に力を貸そうぞ・・・ナルト」
そう言った“声”に子供・・・ナルトはニィっと笑った
『ありがとうなッ!!九喇嘛!!』
<後書き>
以前、短編で載せたナルト成り代わりをモデルっていうか…その転生後っていう私の中の勝手な設定で出来上がったのがアリババ君だったのです。
今はこんな暗い人間がその後、アリババ君みたいな感じになるには積もる話が多すぎるので書きません。だけどちょくちょく短編としては載せようかなと・・・。
設定としては・・・。
九尾と仲が良い
里が嫌い(理由、八年間も死の森で監禁され続けた)
里が嫌い=暁に入るってことにはならない。
てか、世界が嫌い
そんな暗い過去をどうにかひっくるめられるのがうちの主人公たちのいい所です。
ネチネチと引っ張るの嫌いなんです(私が)
明かに「私、傷ついているんです。過去に大きな傷を負ったの。だからかまって」みたいな主人公は嫌いなんです。
そんな人間、器用に生きれないよ。
ツライ過去があるから誰かに優しくできるし、だから強くなれる。
そんな設定が私は好きだ・・・。
あ……愚痴になっちゃった。(笑)